1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08219202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90221241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 正史 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (10261322)
繁森 英幸 北海道大学, 薬学部, 助手 (70202108)
石橋 正己 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90212927)
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Keywords | 海洋天然物 / 海綿 / ホヤ / 渦鞭毛藻 / マクロリド / ペプチド / β-カルボリン / 立体化学 |
Research Abstract |
本研究では、当研究室においてこれまでに単離した海洋天然物の中から、構造と活性の両面において注目される化合物をいくつか取り上げ、それら立体化学の決定、標的分子の特定、活性発現機構の解明に関する研究を以下の通り行った。 1)Theonella属海綿から分離したマクロリドセオネゾリドAは、ウサギ血小板の形態変化を誘起する特異な作用をもつ。この化合物に含まれる絶対配置未決定の22個の不斉炭素のうち、C7-C17フラグメントに含まれる4個の立体化学を解明する目的で、可能なC7-C17フラグメントの2種の立体異性体の合成を行い、一つの立体異性体の構築に成功した。2)Theonella属の海綿より単離した、異常アミノ酸を含む新規環状ペプチドであるケラマミドBは、fMLPにより誘起される活性酸素の生成を極めて低濃度で抑制する作用をもつ。ケラマミドBについて作用機序を検討した結果、ホスホリパーゼCに直接あるいは間接に作用することにより、IP_3産生量を変化させ、その結果として細胞内カルシウム動態を抑制することにより活性酸素生成抑制作用を発現することが明らかとなった。3)Eudistoma属ホヤ由来のβ-カルボリン化合物に関する構造活性相関の結果開発した合成化合物MBEDは、強力な筋小胞体Ca遊離促進作用をもつ。今回、1位あるいは3位にヒドロキシメチル基をスペーサーとして有するMBED関連化合物の調製を検討した。4)渦鞭毛藻Amphidinium sp.より得られた27員環マクロリド化合物アンフィジノリドLは、腫瘍細胞に対して顕著な殺細胞活性を示す。絶対配置未決定の6個の不斉炭素の立体化学を解明する目的で、C15-C26フラグメントとC7〜C14フラグメントの合成研究を行い、C15-C26フラグメントに関しては1つの立体異性体を、また、C7〜C14フラグメントについては2種のジアステレオマ-の合成を達成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J. Kobayashi: "Amphidinolide Q, a novel 12-membered macrolide from the cultured marine dinoflagellate Amphidinium sp." Tetrahedron Lett.37. 1449-1450 (1996)
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[Publications] Y. Doi: "Total synthesis of pseudodistomin C, a sphingosine-related piperidine alkaloid from tunicate Pseudodistoma kanoko" Tetrahedron. 52. 4573-4580 (1996)
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[Publications] H. Ishiyama: "Studies on the stereochemistry of amphidinolides : Synthesis of a diastereomer of the C-1〜C-9 fragment of amphidinolide C" Chem. Pharm. Bull.44. 1819-1822 (1996)
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[Publications] M. -C. Rho: "The mode of rabbit platelet shape change and aggregation induced by theonezolide-A, a novel polyketide macrolide, isolated from the Okinawan marine sponge Theonella sp." Can. J. Physiol. Pharmacol.74. 193-199 (1996)