1996 Fiscal Year Annual Research Report
DNA認識能を有する蛋白質超分子機能の金属イオンによる制御機構に関する研究
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08219213
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
青野 重利 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60183729)
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Keywords | ヘム蛋白質 / 転写調節因子 / 一酸化炭素 / 光合成細菌 |
Research Abstract |
紅色非硫黄光合成細菌Rhodospirillum rubrumは、嫌気条件下において一酸化炭素を唯一の炭素源、およびエネルギー源として成育することができる。この時、エネルギー獲得のキ-エンザイムとして一酸化炭素脱水素酵素(CODH)の発現が誘導されることが知られている。CODHの発現は、転写レベルで調節されている。現在までに、この転写調節に関ると推定される転写活性化因子遺伝子cooAがクローニングされ、その塩基配列が明らかにされているが、蛋白質レベルにおけるCooAの性質等については、全く不明な状態であった。そこで本研究では、CooAの性質を明らかにするため、まず、CooA発現系の構築を行った。さらに、CooAによる転写調節が、一酸化炭素により制御されるという特異な性質に注目し、一酸化炭素による転写制御の反応機構を明らかにすることを目的として研究を行った。 CooA発現ベクターは、PCR法により合成したcooA遺伝子を、tacプロモーターを有する、原核生物発現用ベクターpKK223-3のEcoRIサイトに挿入することにより構築した。調製した発現ベクターを用いて、大腸菌中でCooAを発現させることができた。発現したCooAの精製を行ったところ、CooAは、分子中にプロトヘムを含むヘム蛋白質であることが明らかとなった。CooAの電子吸収スペクトルを測定した結果、酸化型、還元型いずれにおいてもCooAは、6配位状態を取っているものと推定される。現在、部位特異的変異導入により、CooA中に含まれるヘムの軸配位子の特定を試みている。 酸化型、および還元型CooAと一酸化炭素との反応を行った結果,一酸化炭素は、還元型CooAにのみ結合することがわかった。NMR測定の結果より、一酸化炭素とCooAの反応では、CooA中のヘム軸配位子の一方が、一酸化炭素により置換されていると考えられる
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shigetoshi Aono: "A novel heme protein that acts as a carbon monoxide-dependent transcriptional activator in Rhodospirillum rubrum" Biochem.Biophys.Res.Commun.228(3). 752-756 (1996)
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[Publications] Shigetoshi Aono: "^1H NMR studies of the Fe_7 S_8 terredoxin from Bacillus schlegelii : a further attempt to understand Fe_3 S_4 clusters" J.Biol.Inorg.Chem.1(6). 523-528 (1996)