1996 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼ・阻害剤複合体の構造解析に基づく阻害剤の構造活性相関研究
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08219238
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 洋一 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (60199396)
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Keywords | HIVプロテアーゼ / HIVプロテアーゼ阻害剤 / 酵素阻害剤複合体 / 基質遷移状態誘導体 / ペプチド合成 / コンフォメーション解析 / X線結晶構造解析 / 分子モデリング |
Research Abstract |
我々は,アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤の合成研究を行なってきており,高血圧において重要な役割を果たすレニンの阻害剤,エイズの原因ウイルスであるHIVプロテアーゼの阻害剤などの合成を行ない,酵素と阻害剤の結合に必要な最小阻害活性部位の探索や高い酵素阻害活性を持つ化合物の合成に成功した.この成功は,酵素反応のメカニズムに着目して,酵素・基質複合体および酵素・阻害剤複合体のコンフォメーションを解析し,酵素分子活性中心の基質遷移状態のコンフォメーションを固定したミミックをデザインするという新しく論理的な方法を用いたことによるところが大きい.この方法をさらに発展させて,基質,阻害剤分子単独のコンフォメーションと,超分子形成時のコンフォメーションとの詳細な比較解析を動的観点で行い,それらの結果をもとに酵素と阻害剤の相互作用に関する分子認識に基づいた阻害剤の構造活性相関研究を行った. 1.HIV-1プロテアーゼおよび誘導体の合成は我々が開発した希釈メタンスルホン酸をα-アミノ保護基切断に使用する固相合成法で,現有のペプチド自動合成機により行なった.また純度の高いプロテアーゼを得るためビオチン誘導体の形で精製した.またシステインをイソステリックなアミノ酸に変換した誘導体を合成した. 2.HIV-1プロテアーゼ活性部位誘導体の合成.基質との相互作用に関与している25位アスパラギン酸をイソステリックなアミノ酸に変換した誘導体を合成した.HIVプロテアーゼは二量体として働くので,もとの酵素とイソステリック誘導体との組み合わせ,イソステリック誘導体のみの組み合わせについても検討した. 4.基質の合成.基質としてp17/p24,p24/p15,p15/PR,PR/p66を合成した. 5.阻害剤の合成.遷移状態誘導体の概念に基づいてレトロウイルスに特徴的な基質の切断部位Phe-ProおよびTyr-Pro(P1-P1')のアミド結合をイソステリックな還元型,ヒドロキシエチレン型,ジヒドロキシエチレン型等に変換し,各基質遷移状態誘導体を合成した. 6.酵素結晶化とX線解析.高活性で安定な酵素蛋白結晶化及びそのX線構造解析を行なった. 7.分子モデリングにより,酵素と基質複合体の構造解析を行なった. 8.超分子形成と解析 X線解析,NMRによりこの酵素蛋白と阻害剤の複合体の構造解析を行なった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiaki Kiso: "Design and synthesis of substrate-based peptidomimetic HIV protease inhibitors containing the hydroxymethylcarbonyl isostere." Biopolymers. 40・2. 235-244 (1996)
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[Publications] 木曽良明: "AIDS治療薬としてのHIVプロテアーゼ阻害薬-変異ウイルスと人類の共生は可能か-." 医学のあゆみ. 177・13. 962-968 (1996)
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[Publications] Yun-Xing Wang: "Solution NMR Evidence That the HIV-1 Protease Catalytic Aspartyl Groups Have Different Ionization States in the Complex Formed with the Asymmetric Drug KNI-272." Biochemistry. 35・31. 9945-9950 (1996)
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[Publications] Yasushi Ohno: "Solution conformations of KNI-272,a tripeptide HIV protease inhibitor designed on the basis of substrate transition state : Determined by NMRspectroscopy and simulated annealing calculations." Bioorg.Med.Chem.4・9. 1565-1572 (1996)
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[Publications] Yun-Xing Wang: "Bound water molecules at the interface between the HIV-1 protease and a potent inhibitor,KNI-272,determined by NMR." J.Am.Chem.Soc.118・49. 12287-12290 (1996)
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[Publications] A.Kiriyama: "Binding characteristics of KNI-272 to plasma proteins,a new potent tripeptide HIV protease inhibitor." Biopharmaceut.Drug Disp.17・9. 739-751 (1996)