1996 Fiscal Year Annual Research Report
絶対配置決定に使用できるキラルランタニドNMRシフト試薬に関する研究
Project/Area Number |
08220101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
甲 國信 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40005799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 陽一 北海道大学, 理学研究科, 教授 (30004500)
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Keywords | キラルシフト試薬 / 絶対配置 / NMR / ランタニド錯体 |
Research Abstract |
1.キラルシフト試薬の機能をもつ新規ランタニド錯体の創製を目的として,新しい配位子,N,N,N′,N′-テトラキス(4-イミダゾリルメチル)プロピレンジアミンの予備的合成に成功し現在効率的な精製法とEu錯体の合成を検討している.2.先に報告した水溶性キラルシフト試薬EPDTAの絶対配置決定にすぐれた特性を脂溶性の化合物に生かすべく,この型の錯体の有機溶媒への可溶化を配位子と対カオチンを選ぶことで図った.合成した錯体M^+[Eu^<III>{(O_2C)_2NCH(R)-CH(R′)N(CH_2CO_2)_2}](I:R=PhCH_2,R′=H ; II : R=R′=Ph ; III : R=R′=-(CH_2)_4- ; IV : R=Me, R′=H)はM^+がLi^+やMe_4N^+のものがNa^+やK^+の場合に比べてMeOHに溶けやすく,またM^+がアルカリ金属イオンの場合適当なクラウンエーテルを添加すると溶解性が増した.クラウンエーテル非添加時はIII(M^+=Li^+)がキラルシフト試薬として最も有効で,CD_3OD中いくつかのジアミン,アミノアルコール,ジオールのエナンチオマーシグナルを分解した.またキラルシフト試薬としての性質を示さなかったIII(M^+=Na^+)は18-crown-6を添加するとクラウンエーテル非添加時のIII(M^+=Li^+)に匹敵する能力を示した.しかし全体的にシグナルの分離が小さく改良が必要である.3.先に新しいキラルシフト試薬として報告したEu(III)-N,N,N′,N′-テトラキス(2-ピリジルメチル)プロピレンジアミン錯体と類似のSm(III)-N,N,N′,N′-テトラキス(2-ピリジルメチル)エチレンジアミン錯体の構造解析に成功し,前者と同様の構造をもつことを明らかにした. なお補助金で購入したオイルバスとダイヤフラムポンプは合成実験に,導電率計はメタノール中におけるEu錯体の溶存状態を調べる目的に用いられている.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 金 海英: "Dichloro {[N,N,N′,N′- tetrakis (2-pyridylmethyl) ethylenediamine] samarium (III)} Perchlorate" Acta Cryst. C. (印刷中).