1996 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライトに固定化された混合原子価希土類錯体の構造解析
Project/Area Number |
08220238
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 助手 (70201621)
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Keywords | 希土類 / EXAFS / XANES / ユーロピウム / イッテルビウム / ゼオライト / 固体塩基 / 触媒 |
Research Abstract |
1.実験 Eu/K-Y及びEu/Al_2O_3(Euの担持量:8wt%)は液体アンモニアにユーロピウム金属を溶解し、これをアルミナ又はK-Yゼオライトに含浸させて調製した。含浸後アンモニアを室温排気により取り除き,所定の温度で1時間排気した。その後,試料をin situで測定用セルに移し封管した。Eu L_3-edge XANES及びEXAFSスペクトルの測定は高エネルギー物理学研究所放射光実験施設BL7Cにおいて,蛍光法により,室温で行なった。 3.EXAFSによるEu種の構造解析 Eu/Al_2O_3のEu L_3-edge EXAFSスペクトルをフーリエ変換して動径構造関数(RSF)を得た.RSFにおいて3.0Å付近に近接するEu原子(Eu-Eu対)に帰属されるピークが観測された。573Kで排気した試料におけるこのピークは、最も活性の高い473Kで排気した試料のものに比べ小さく、573Kで排気することにより、近接Eu原子数が減少することを示している。またこの時,触媒活性も急激に低下しており,近接Eu原子数の変化は触媒活性に対応するものであると思われる。TPDにおいて,473-573Kの温度域においても触媒からアンモニアの脱離が観測されており,アンモニアの脱離に伴って近接Eu原子数が減少していることがわかる.従って,RSFにおけるEu-Euピークは窒素によって架橋された種であると考えられる。Eu/K-YのRSF中のEu-Euピークは,さらに強度が小さくなっている.これは,ゼオライト中ではEuの凝集度がアルミナ上に比べ低いことを示している.Eu/K-Yの触媒活性がEu/Al_2O_3のそれに比べて著しく低いのはこの窒素で架橋された近接Eu種が少ないことに起因するものと考えられる。
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