1996 Fiscal Year Annual Research Report
メタノール-水素燃焼系の環境保全システムに関する化学反応論的研究
Project/Area Number |
08225208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松為 宏幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00026098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60229903)
手崎 衆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50236965)
越 光男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20133085)
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Keywords | 水素燃焼 / 起爆限界エネルギー / メタノール添加効果 / de NOxプロセス / 縮退四波混合分光法 / レーザー誘起蛍光分光法 |
Research Abstract |
本研究は水素とメタノールの混合気の燃焼と爆発特性および微量の添加物共存下での燃焼過程の化学反応機構を実験的に検証し燃焼効率と環境保全に関する最適化条件を得るための基礎的資料を得ることを目的とする。このためLIF法、縮退四波混合分光法、衝撃波-レーザー閃光分解法、波長可変レーザーを光源とする光イオン化質量分析法等、独自の研究手法を駆使することにより鍵となる反応中間体の高感度検出と時間的挙動の追跡を行い燃焼化学機構の解明を試みた。本年度の研究成果を要約すると以下のようにまとめられる。 (1)酸素-水素燃焼系は現在主として使用されている炭化水素系燃料に比べて爆発限界がはるかに広いために漏洩や逆火に伴う爆発、爆轟防止対策のためメタノール、水素混合気の燃焼特性および燃焼限界に関する基礎的データーを実験的に求め、これを基に直接起爆限界エネルギーを理論的に評価することができた。この理論値は従来報告されている実験結果と一致していることが確認され、新しい安全評価法として有用な手法であると考えてよい。 (2)水素、メタノール、メタンの混合気の燃焼特性とエクセルギー有効利用に関して最適化を計るためこれらの混合気の燃焼反応機構の理論的実験的検討を行った。NOx低減機構に関して検討した結果、メタノール添加によりエクセルギー損失を伴わず、これまでより低温におけるバーナー燃焼系でNOxが低減できることを実証した。
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[Publications] A.Tezaki 他: "Insertion vs.abstraction in the reactions of NH(a^1△,v=0,1)with H_2 and D_2" Bull.Chem.Soc.Jpn.69. 1195-1199 (1996)
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[Publications] H.Shiina 他: "Kinetic Studies on the pyrolysis of H2S" J.Phys.Chem.100. 2136-2140 (1996)
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[Publications] K.Matsumoto 他: "Mechanism and Branching ratios of the SiH_3+SiH_3 reaction" J.Phys.Chem.100. 8796-8801 (1996)
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[Publications] K.Tsuchiya 他: "Reactions of S(^3P)with H_2,D_2,CH_4,C_2H_6,C_3H_8,n-C_4H_<10> and i-C_4H_<10>" J.Phys.Chem.100. 17202-17206 (1996)
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[Publications] Y.Murakami 他: "Studies on the oxidation mechanism of SiH_3:production of SiO" J.Phys.Chem.100. 17501-17506 (1996)