1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08226201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 恒義 北海道大学, 工学部, 教授 (80002236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 貴道 北海道大学, 工学部, 助手 (40271647)
矢久保 考介 北海道大学, 工学部, 助教授 (40200480)
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Keywords | フラクタル / 複雑系 / フラクトン / コンピュータ物理学 / 強制振動子法 / DLCA / エアロゲル / スケーリング |
Research Abstract |
トポロジカルに乱れた弾性体が粘性液体中に侵されている物理系は、自然界にその例を多く見ることができる。クラスターやドロップレットが形成されている液体、液層から固相への相転移やゾル-ゲル転移点におけるゾルとゲルの共存系などはそのような系の典型と考えられる。 本研究では3次元のグラスター・クラスター凝集モデルにおける動的性質、特にその振動励起に関する振る舞いについて明らかにすることを目的とする。特に振動状態密度並びに動的構造因子における振動数依存性について明らかにする。クラスター・クラスター凝集モデルに基づき、系のサイズが大きな凝集体を様々な粒子濃度に関して、コンピュータ・シミュレーションにより計算した。3次元立法格子上において、系の境界条件はすべての方向に関して周期境界とした。系が自己相似性を有するならば、密度相関関数g(r)≡〈p (r′) p (r+r′) 〉はrに関してベキ的な性質を示す。すなわち系のg(r)を計算することによりフラクタル次元D_rを求めることができる。その結果、いずれもある特徴的な長さスケールよξり短いところできれいなベキを示すことが分かった。 次に、得られた系の振動状態密度を並列計算に適したアルゴリズムである強制振動子法により求め、その振動数依存性および系の濃度既存性について明らかにした。得られたベキ依存性の指数等に関して、従来行われている実験結果と比較した。これからスペクトル次元はd_f=1.17±0.04と求められる。これはシリカ・エアロゲルに関して行われている実験結果とよく一致している。また、クラスター・クラスター凝集モデルにおける動的構造因子を強制振動子法により数値的に求めた。計算された動的構造因子の振動依存性に関する解析を行い、そのスケーリング性質について明らかにした。
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[Publications] T. Terao: "Power-law dependence on frequency of the Raman-scattering intensity of percolating networks" Phys. Rev. B. 53・6. R2918-R2921 (1996)
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[Publications] Y. Hobiki: "Spectral characteristics in resonators with fractal boundaries" Phys. Rev. E. 54・2. 1997-2004 (1996)
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[Publications] K. Yakubo: "Fracton decay in nonlinear fractal systems" Physica B. 219220. 351-353 (1996)
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[Publications] Y. Hobiki: "Fractal drums and the Weyl-Berry-Lapidus conjecture" Physica B. 219220. 354-356 (1996)
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[Publications] T. Terao: "An efficient method for computing response functions for large-scale vibrational systems" Physica B. 219220. 357-360 (1996)