1996 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ酸塩を主体とする高速リチウムイオン導電性混合アニオンガラスの合成と物性
Project/Area Number |
08229214
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 隆 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10126310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 洋文 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50165130)
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Keywords | リチウム導電体 / アルミノシリケートガラス / 混合アニオン効果 / Li_3PO_4 / Li_3VO_4 / Li_2WO_4 |
Research Abstract |
化学的に安定で、耐電圧性に優れ、取り扱いも極めて容易な含リチウムアルミノシリケートガラスのリチウムイオン導電性を混合アニオン効果により高めることを目的としてLi_xAl_<1/3>SiO_<(5+x)/2>で表されるガラスにLi_3PO_4、Li_3VO_4、Li_2WO_4等を混合し、交流インピーダンス法により導電性を測定した。ガラスは、白金バスケット中で都市ガス-酸素炎を用いて出発試料を溶融し、20〜30分後に透明となった溶融物を、白金線を引いてバスケットを開くことにより落下させ、2枚の金属板の間で急冷することによって調製した。 Li_yAl_<1/3>SiO_<(5+y)/2>のガラス化領域は式中のyの値で0.89≦y≦1.44と決定された。この中で最も高いリチウムイオン導電性を示したLi_<1.44>Al_<1/3>SiO_<3.22>にLi_3PO_4、Li_2WO_4を混合した。 (1-x)Li_<1.44>Al_<1/3>SiO_<3.22>+x Li_3PO_4系では0≦x≦0.15でガラスが得られ、導電率はx=0.1でピークとなった。(1-x)Li_<1.44>Al_<1/3>SiO_<3.22>+x Li_3VO_4系のガラス化範囲は0≦x≦0.20であり、この範囲内でリチウムイオン導電率はxの増加とともに大きくなった。最も高い導電性は(1-x)Li_<1.44>Al_<1/3>SiO_<3.22>+xLi_2WO_4系で得られたが、この系ではx=0.1においても完全にガラス化することは困難であった。0.9Li_<1.44>Al_<1/3>SiO_<3.22>+0.1Li_pMO_4(M=P、V、W)中でのリチウムイオン導電率を170℃で比較すると、アニオンを混合していないとき1.8×10^<-5>Scm^<-1>であるのに対し、M=Pのとき6.3×10^<-5>Scm^<-1>、M=Vのとき3.8×10^<-5>Scm^<-1>、M=Wのとき4.0×10^<-5>Scm^<-1>であった。完全にガラス化した試料においてはCole-Coleプロットに粒界抵抗を示す半円は見られなかった。
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[Publications] T.Uchida et al.: "Chemical diffusion coefficient of lithium in LiM_yMn_<2-y>O_4(M=Co and Cr)" Solid State Ionics. 86・88. 907-909 (1996)
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[Publications] T.Uchida et al.: "Chemical diffusion coefficient of lithium in carbon fiber" J.Electrochem.Soc.143. 2606-2610 (1996)
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[Publications] T.Uchida et al.: "The spinel phase LiMyMn2-yO4(M=Co,Cr,Ni) as the cathode for ithium secondary batteries" J.Electrochem.Soc.143. 178-182 (1996)
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[Publications] 脇原將孝ら: "最新電池ハンドブック" 朝倉書店, 922 (1996)