1996 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物イオン伝導性を有する希土類二元金属系バイナリアニオン固体化合物の作成
Project/Area Number |
08229221
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高島 正之 福井大学, 工学部, 助教授 (60115300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 潤一郎 福井大学, 機器分析センター, 助教授 (50108255)
堀田 紀好 福井大学, 工学部, 教授 (60020195)
米沢 晋 福井大学, 工学部, 助手 (80242585)
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Keywords | 希土類金属 / 酸化フッ化物 / 酸化物イオン伝導 / 二層蛍石構造 |
Research Abstract |
含ネオジム希土類二元金属酸化フッ化物、Nd_aLn_bO_cF_d(Ln;Y、Ce、Se、Eu、Gd)を合成し電導特性について調べた。また、酸化物イオン導電性が特に高かったNd_2Eu_2O_3F_6について、酸化物イオン伝導の発現の機構を結晶構造の立場から検討するための構造モデルの提案と、計算機シミュレーションを活用した回折データの解析を行なった。フッ化物イオンを含む金属化合物には、特に高温では加水分解が避けられないという問題がある。Nd_2Eu_2O_3F_6について高温下での化学的安定性についても検討した。600℃での導電率はEu>Sm>Y≧Gd>Ceの順に高く、最も高電導率を示したNd_2Eu_2O_3F_6では600℃で3.5×10^<-2>Scm^<-1>であった。Nd_2Sm_2O_3F_6も1×10^<-3>Scm^<-1>と高く、活性化エネルギーは両者とも60〜70kJmol^<-1>であった。YやGd系(100kJmol^<-1>)と比べて450℃の比較的低温でもかなり高い電導率を保つことがわかった。O^2イオン輸率(tO^<2->)もNd_2Eu_2O_3F_6が最も高く450〜700℃で約0.9の値を示し、このときの電子輸率(te)は0.05以下であった。粉末X線回折パターンのRietveld解析による精密化を進める中で、O^2イオン電導可能な結晶構造モデルとして二層蛍石構造(Double Layered Fluorite構造、DLF構造)に到達した。この構造では、Nd、Euの両カチオンの電荷の可変性からO^2イオン移動可能なアニオン欠損を持つ。この化合物は700℃以上では微量の水分とも反応しHFを放出する形で構造変化し、イオン導電性は大幅に低下する。600℃まででは化学的にも安定で高い電導性を保つ。
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Research Products
(1 results)