1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08229234
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 信一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
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Keywords | メゾポア / 多孔体 / リチウム二次電池 / タングステン酸 / 五酸化バナジウム |
Research Abstract |
イオニクス材料に関してナノからメゾオーダーのポアをもつ多孔体が合成できれば、様々な電気化学的なデバイスを高性能化でき実用化に繋げる可能性が広がる。本研究においてはこのような多孔体の合成を目標に、下記の二種類の新しい合成法について研究を行った。 1.界面活性剤であるC_<16>H_<33>(CH_3)_3NClを鋳型として、Li_6W_2O_9水溶液からタングステン酸を析出させた。33重量%に及ぶ高濃度でC_<16>H_<33>(CH_3)_3NClを共存させることが、MCM-41様のメゾポア多孔体を得る上で重要であった。pH=6.1の水溶液から、MCM-41様の結晶構造をもつ六方晶でa=44.8Aの析出物が得られた。pH=1.5で得られた析出物は約25Aの層間隔をもつ層状化合物であり、逆に塩基性の水溶液からは何等析出しなかった。MCM-41様の析出物を大気中で270℃以上に加熱すると、そのメゾ構造は次第に壊れていった。 2.V_2O_5/B_2O_3=4/1のモル比の混合物を溶融させたのちに急冷して得た固化体からエタノールを溶媒としてB_2O_3を溶出すると、固化体の形態を保持したままのV_2O_5のメゾ多孔体が得られた。その比表面積は34.75m^2/gにも及び、V_2O_5の微細な針状晶がその伸張方向を揃えて凝集し、その間に電解質溶媒が染み込みやすい多孔体組織をもっていた。この多孔体を正極として用いてリチウム二次電池を作製すると、400μA/cm^2にも及ぶ放電電流および114mAhr/gに及ぶ放電容量が得られ、これまでに報告されたV_2O_5を正極としたいずれの場合をもはるかに凌ぐ高性能を示すことが分かった。なおこの電池における放電プロセスは、Li_xV_2O_5の形で表すとx=0.8までの組成範囲において、Li_xV_2O_5のxが小さなα相を経由して、ε相の組成領域において充放電サイクルを繰り返していることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Kikkawa: "Titanium disulfide thin film prepared by plasma CVD for Iithium rechargable battery" Ceram.Inter.23. 7-11 (1997)
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[Publications] K.Adhikary: "Preparation and electrochemical lithium intercalation of V_2O_5 porpous lump with large surface area" Solid State Ionics. (印刷中).
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[Publications] 吉川 信一: "無機化合物における層状ナノ・メゾ複合化" 電気化学および工業物理化学. 64. 338-342 (1996)
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[Publications] S.Kikkawa: "Interface interaction in layered composite materials" Proc.Progress in Ceramic Basic Science. 21-29 (1996)