1996 Fiscal Year Annual Research Report
超イオン導電体における貴金属イオンの特異性とNMR
Project/Area Number |
08229239
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金城 辰夫 徳島大学, 工学部, 教授 (50035606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩一 徳島大学, 工学部, 助手 (20284317)
岸本 豊 徳島大学, 工学部, 講師 (80201458)
道廣 嘉隆 徳島大学, 工学部, 講師 (00174061)
大野 隆 徳島大学, 工学部, 助教授 (70035640)
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Keywords | 超イオン導電体 / 貴金属イオン / NMR / 銀ハライド / 銅ハライド / スピン・格子緩和時間 / 共有結合性 / 重なり積分 |
Research Abstract |
研究概要は次の通りである。 1.パルスNMR測定-AgX,CuX,NaX(X=Cl,Br,I)のCu,Na,Cl,Br,I核について同位核も含めて、スピン・格子緩和時間の温度依存性を温度領域80K〜700Kで測定した。結果を整理し、1/T_1=AT^2となる係数Aを決定した。 2.解析とまとめの考察 (1)係数Aをイオン模型に基づいた計算と比較し、共有結合性の割合λ_Oを定量的に評価した。その際、電子雲の重なりについては、s,p-電子のみらなず、最外殻d-電子についても考慮し、Lowdinの方法で計算した。 (2)λ_O値はナトリウムハライドでは2%以下であり、通常数%と言われていることと、よく符号する結果を得た。一方、銀ハライドでは、AgClで20.5%、AgBrで24.5%、また銅ハライドではCuClで63.0%,CuBrで46.8%、Culで27.0%となり、いずれもナトリウムハライドより一桁以上大きい値となった。これらの結果とイオン導電性を比較し、以下の結論を得た。 共有性度がλ_O<25%では食塩(RS)構造、λ_O>25%ではジンクブレンド(ZB)構造となり、臨界値λ_<OC>=25%付近で構造は不安定となる。その際、同時にイオンのホッピングの活性化エネルギーは下がり、イオンの運動が起こり易くなる。このとき、ハロゲンイオンが重いものほど臨界値に近くなる傾向が見られるから、α-AgIの超イオン導電性が推測できる。したがって、γ-AgI単結晶での測定が今後の課題となる。これらの結果について一部を公表した。
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Research Products
(1 results)