1996 Fiscal Year Annual Research Report
塩化物イオン伝導性固体電解質を用いた塩素化電極反応に関する研究-C_2炭化水素の塩素化反応
Project/Area Number |
08229242
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
新関 良夫 東北工業大学, 工学部, 教授 (30085493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 茂雄 東北工業大学, 工学部, 教授 (30005706)
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Keywords | 固体電解質 / 塩化鉛(II) / 炭化水素 / 塩素電極反応 / 塩素化反応 / サイクリックボルタンメトリー / 二酸化ルテニウム / ガスクロマトグラフィー |
Research Abstract |
塩化鉛(II)系塩化物イオン伝導性固体電解質を用いて塩素-炭化水素型固体燃料電池を構成し、C_2炭化水素(エタン、エチレン、アセチレン)の塩素化反応を行い、生成物の種類と反応機構を推定する研究を行った。電解生成物はECDガスクロマトグラフィーで分析し、各種の電極反応特性はサイクルリックボルタンメトリーで測定した。その結果、次のようなことが明らかになった。 (1)アセチレンの場合 黒鉛、RuO_2及び白金黒電極の電池を約-300mVに強制分極し、出口ガスのクロマトグラムをとった。いずれの電極の場合も、1,1,2,2-テトラクロロエタンとペンタクロロエタンの2つの明瞭なピークが現れたが、前者が後者の約9倍以上も多くCHCl_2CHCl_2が主生成物であることが分かった。またボルタモグラムによれば、黒鉛電極の場合、電極への吸着を経ず直接塩素ガスが生成されガス相でアセチレンと塩素化反応を起こすこと、RuO_2電極では電極表面吸着を経由してアセチレンの塩素化反応が起こること、、さらに、白金黒でのボルタモグラムには塩素化反応に対応する還元ピークが幾つか見られたがやや不明瞭だったので、平滑白金面を有するPt-netで同様の測定を行った結果、塩素化反応に対応する明瞭な2つの還元ピークが現れ、アセチレンと塩素が電極に吸着された状態で2段階の塩素化表面反応により最終的にCHCl_2CHCl_2が生成されることなどが分かった。 (2)エタンとエチレンの場合 黒鉛とRuO_2電極では、ガスクロの結果から塩素ガスのみが確認されエタンとエチレンの塩素化生成物は検出さず反応しないこと、またボルタモグラムの結果から、塩素は電磁表面反応を経ず直接ガスとして発生することが分かった。一方、白金黒電極では塩化物イオンが酸化されることはボルタモグラフから確認されたが、脱着した塩素ガスはガスクロでは確認されず、電極に吸着された状態に留まることが分かった。
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