1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08229247
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀樹 関西大学, 工学部, 助教授 (30174808)
浅井 彪 関西大学, 工学部, 助教授 (30029897)
|
Keywords | 固体電界質 / 低温作動型 / 酸化ランタン / 炭酸塩 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
イットリウム安定化ジルコニアを用いる高温作動型固体燃料電池よりも、さらに低温で作動できる固体電界質を創製することを目的として、酸化ランタンとアルカリ土類炭酸塩との複合系電界質を作成し、その電界質特性を評価した。 700℃における伝導率の組成依存性を調べ、伝導率はLa_2O_3:炭酸塩の比およびBaCO_3:SrCO_3の比の両者に関係することを明らかにした。BaCO_3:SrCO_3が9:1と8:2の場合、9:1ではLa_2O_3:炭酸塩比で炭酸塩が多くなると伝導率が高くなり、8:2ではLa_2O_3が多くなると伝導率が高くなる。すなわち、伝導率の極大を与える組成に差が見られる。酸化ランタン自身は、酸素分圧に応じて酸化物イオンと電子の輸率が変化することが知られており、10^<-3>〜10^<-8>Paで酸化物イオンの伝導が支配的となるが、酸素分圧が高くなるにつれて、ホールの輸率が高くなる。そこで、0.7La_2O_3-0.3(0.7BaCO_3-0.3SrCO_3)の900℃焼成試料について伝導率の酸素分圧依存性を測定したところ、10μPa〜20kPaの範囲で伝導率は3.8〜2.8x10^<-7>Scm^<-1>でほぼ一定であった。イオン伝導は酸素分圧には依存しないから、本系での酸化物イオンの輸率はかなり広い酸素分圧下で1に近いといえる。混合炭酸塩を用いる場合、共晶温度が比較的低いため、複合系固体電界質の使用温度が低く押さられ、伝導率を高くできないという制約がある。一方、酸素分圧依存性から、測定された伝導率は主に酸化物イオンによると考えられ、複合化することによりLa_2O_3のホール伝導が抑制されていると考えられる。ランタノイド酸化物には電子伝導が多少とも伴うので、複合化することにより電子伝導を抑制できることは今後材料開発を進めるうえで、一つの大きなメリットになると思われる。
|
Research Products
(1 results)