1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08231218
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 博明 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60176667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 邦明 東京農工大学, 工学部, 教務職員 (30251581)
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Keywords | イオン化蒸着 / 蒸着重合 / ポリ尿素 / ビニル重合 / 表面プラズモン / 全反射減衰法 / ATR / 非線形光学 |
Research Abstract |
本研究は分子系超構造を構築するための新しい物理的成膜プロセスの開発を行った。特にモノマー材料を蒸着源として真空中で高分子薄膜を得ることを目的とし、新規な蒸着手法であるイオン化蒸着法を用いて、二官能性モノマーの共蒸着による高分子膜形成と、ビニル系モノマーのイオン化励起蒸着による高分子膜形成の二つの手法を検討した。 1.二官能性モノマーの共蒸着によるポリ尿素薄膜形成 1,3-ジ(4-ピペリジル)プロパンと4,4'ジフェニルメタン-ジイソシアネートをイオン化蒸着法で共蒸着すると、基板表面上で重付加反応によりポリ尿素重合膜が得られた。メーカーフリンジ法による二次高調波測定及び全反射減衰・表面プラズモン法による電気光学変調測定を行った結果、得られた膜は非線形光学活性であることが示された。これは蒸着イオンの電荷と基板に印加したバイアス電圧によって発生する電場のもとで重合が進むため、双極子配向の制御を伴う重合膜形成が実現したものと考えられる。 2.ビニル系モノマーのイオン化蒸着重合 通常の真空蒸着では重合しない化合物であっても、イオン化によって分子を励起することによって高分子膜が得られる可能性がある。そこで、トリフェニルアミンを持つスチルベン型モノマーや、N-メチロールアクリルアミドをイオン化蒸着した結果、非晶質の高分子薄膜が得られることが示された。同様にビニル基を持つ化合物であっても、ビニルカルバゾールやスチルベン型モノマーでは重合膜が得られなかったことから、イオン化によって分子が容易に励起される蒸着物質を選ぶことの重要性が示唆された。 このように、イオン化蒸着法は新しい高分子薄膜形成の手法として用いることができ、分子系超構造の構築に有用であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Usui: "Ionization-assisted deposition of Alq_3 films" Thin Solid Films. 288. 229-234 (1996)
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[Publications] 菊池布美子: "イオン化蒸着法によるポリ尿素薄膜の配向制御" 電子情報通信学会技術研究報告. 96・143. 19-24 (1996)
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[Publications] 臼井博明: "イオン化蒸着法による有機薄膜の配向制御" 粒子線を用いた次世代材料プロセス技術論文集. 17-22 (1996)
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[Publications] 臼井博明(共著): "有機配列制御薄膜の電子光機能の現状とその評価技術に関する課題" 電気学会, 77 (1997)