1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08231219
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
尾ざき 弘之 東京農工大学, 工学部, 講師 (40204185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 康博 北里大学, 理学部, 講師 (60199677)
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Keywords | 超構造 / 有機単原子層 / 表面トポケミカル反応 / アトミッククロース / 表面自己組織化反応 / アトミックテープ / ペニングイオン化電子分光 / 走査型トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
冷却したグラファイトの劈開面に鎖状・平面性の有機物を蒸着すると、分子が炭素骨格平面を下地に平行にして配列した単分子層(厚さ0.4nm)が得られるが、これは室温にすると分子の脱離や配列の乱れが起こる不安定な素構造である。単分子層に化学的分子操作(表面トポケミカル反応・表面自己組織化反応)を施すことにより、分子を新たな共有結合・水素結合で結びつけて単分子層を単原子層(超構造)に変換する方法と単原子層の構造評価法の開拓を目指し、今年度は以下の研究を行った。 1.1,15,17,31-dotriacontatetrayne単分子層の表面トポケミカル反応により織物状巨大分子の単一層(atomic cloth)が生成することをペニングイオン化電子分光(PIES)を用いて確認した。得られたatomic clothのSTM像のコントラストの変調パターンを解析し、atomic clothの周期構造と各鎖の配列状態を明らかにした。atomic clothの単位ベクトルaとbはグラファイトの単位ベクトルをagとbgとして3a=7ag-4bg,2b=13ag+20bgと表せることがわかり、これよりポリジアセチレン(PD)とポリアセチレン(PA)の繰り返しの周期|a|=0.499nm,PDとPAをつなぐアルキル鎖の長さ|b|/2=1.77nm、PDまたはPAとアルキル鎖の成す角θ=71.7゚を得た。 2.1,4-bis((4-carbamoylphenyl)ethynyl)benzene(BCB)分子を単分子層内で自己組織化させて直線的につないだテープ状構造(atomic tape)の形成をPIESにより観測することを試みた。分子が平らな配向で並んだ場合の一層分のBCBを130Kの基板に蒸着すると、分子は動けず乱雑な配向のまま凍り付くため、短軸をかなり傾けた表面分子が検出された。この膜を200Kに昇温すると分子が動けるようになり、平らに配向した単分子層が形成された。しかし、さらに室温にしても分子の脱離や配向の変化は見られなかった。BCB単分子層は分子間水素結合により安定化され、atomic tape構造が形成されたと考えられる。
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Research Products
(1 results)