1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08231253
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 佳樹 九州大学, 工学部, 助教授 (70284528)
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Keywords | 界面鋳型形成法 / 官能基配置制御 / フェニルボロン酸 / アミノ酸 / 糖質 / 界面活性剤 / 両親媒性高分子 |
Research Abstract |
我々は最近、分子を認識する機能界面の作成法として、高分子微粒子の表面官能基を鋳型ゲスト共存下に再配列させ、粒子表面に鋳型構造を構築するという手法(Surface Imprinting 法)を提案している。この原理は本重点領域研究で目的とする「分子系超構造」構築のための組織化プロセスとして有効であろう。そこで「素構造」として配位性官能基を有する界面活性剤を取り上げ、高分子微粒子が水相と接する界面でその組織化を試みる。ただし微粒子は、少量の有機溶媒(ビニルモノマー)で膨潤させておく。界面に吸着した界面活性剤は、ゲストの存在下でこれとの分子間相互作用にしたがって、エネルギー的に安定な空間構造を形成するであろう。これを膨潤剤の重合によって固定化すれば、界面における機能性官能基の空間分布制御が達成できると考えられる。 本研究では配位性官能基として、カルボキシル基、リン酸エステル基、アミノ基、フェニルボロン酸基に着目し、これらをもつ界面活性剤を用いて、以上の仮説を実証することを目的とした。すなわち、ある種の金属イオンや無機陰イオン、アミノ酸誘導体や糖質分子との相互作用を介して、これら界面活性剤の高分子材料・水界面における再配列を促すことを試みた。その結果、この操作により官能基の空間配置制御が達成されることを、その界面機能(界面の分子認識能・特異的吸着能)から証明することができた。具体的には、リン酸エステル基-重金属イオン、アミノ基-フェロシアン化物イオン、フェニルボロン酸基-グルコース、カルボキシル基-重金属イオン、カルボキシル基-フェニルアラニン誘導体、それぞれの組み合わせで、官能基の組織化を示唆する基礎的な知見を得ることができた。今後は認識の精度向上と共に、吸着容量の改善が課題である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Isamu Fujiwara et al.: "Ferrocyanide-Templated Resins Pepared by Surface Template Polymerizartion" Anal.Sci.12. 545-549 (1996)
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[Publications] Kazuhiko Tsukagoshi et al.: "Preparation and Characterization of Polymer Microspheres Which Have Specific Binding Ability for Saccharide Molecules" Anal.Sci.12. 721-726 (1996)
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[Publications] 塚越一彦 他: "界面を利用する鋳型樹脂の合成とキャラクタリゼーション" 分析化学. 45(11). 975-986 (1996)
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[Publications] 中村成夫 他: "分子刷り込みポリマーを反応場として用いる触媒的不斉還元反応" 化学. 51(11). 725 (1996)
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[Publications] Mizuo Maeda et al.: "Hydrogels and Biodegradable Polymers for Bioapplications(ACS Svmp.Ser.627)" American Chemical Society, 268 (1996)