1996 Fiscal Year Annual Research Report
テルル-モリブデン系の二元酸化物における活性種の特異な構造と触媒設計への応用
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08232261
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 弘 徳島大学, 工学部, 教授 (00035627)
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Keywords | 複合酸化物 / テルル-モリブデン系 / 活性種の調製化学 / 付加型テルロモリブデン酸 / 構造研究 / Rietveld解析 / Fourierマップ |
Research Abstract |
Te-Mo系の二元酸化物におけるSynergyの発現と活性種α-Te_2MoO_7の調製に関して、Te(VI)を原料とする処方を検討し、結晶相およびガラス相の表面観察を行なうとともに、Rietveld解析およびFourierマップ法による付加型テルロモリブデン酸M^<II>TeMoO_6(=M^<II>O・TeO_2・MoO_3;M^<II>=Co,Mn,Zn)の構造研究を行なった。 1 活性種α-Te_2MoO_7の調製化学 TeO_2-MoO_3系では固相反応により結晶性のα-相を生成するが、原料の酸化物粒子が残留する場合がある。4価のTeO_2は水と親和性がないためMoO_3との混錬が進行しないが、水溶性の6価のテルル酸Te(OH)_6はモリブデン酸H_2MoO_4と任意の組成のペーストを得ることができる。モリブデン酸とテルル酸が、それぞれ別々に脱水してMoO_3・TeO_3となるが、450℃の焼成で脱酸素還元分解により高純度のα相を得た。 2 Te_2MoO_7の表面観察 原子間力顕微鏡(AFM)/走査型電顕(SEM)による1〜20万倍の観察では、結晶は(1-2μ)φ×長さ(1-5μ)の円筒状で、20万倍でも表面に微細組織は認められないが、ガラス相の1万倍では0.2-0.3μφの連結微粒と空孔からなる多孔組織が観察された。ただし、破断側面の観察から、表層のみで多孔ガラスではないことがわかった。 3 付加型テルロモリブデン酸の構造研究 直方体の単位格子の頂底両面の4隅にTeが、その中間にMo,上半両面と下半両面の面心にCoがスイッチしながら配置する構造を基本として、Fourierマップで酸素の配置に微調整を加えてRietveld解析を行ない、収束性を得た。二元系の活性種α相の構造と併せて、酸化触媒の基本成分のMoに塩基性のTeが隣接する活性座の原子配置を明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林 弘: "TeO_2-MoO_3系の活性種とその調製化学" 触媒. 38巻1号. 32-38 (1997)
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[Publications] H.Hayashi et al.: "Additive Telluromolybodates as Catalys for Vapor-Phase Selective Oxidation of Ethy Lactate to Pyruvate" Applied Surface Science. (in press). (1997)
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[Publications] Blaser,Baiker and Prins(Eds.)H.Hayashi et al.: "Studies in Surface Science and Catalysis" Elsevior(in press), 8 (1997)