1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08233201
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐野 雅己 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (40150263)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 美徳 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20218556)
|
Keywords | アクティブエレメント / カオス / 運動性素子集団 / 群機能 |
Research Abstract |
この研究は、2つの部分からなる。その第一は、運動性を持った素子集団のモデルによる集団運動の数理的解析と考察。第二は、運動性素子にタスク処理を行なわせ、並列、非同期的な協調により処理が加速されるための条件をモデルとロボットによる実験で明らかにした結果である。 運動性素子の集団運動に関しては、素子の内部自由度として、向きの自由度を付け加え、自己加速力を付与した。外部ノイズなしの決定論的システムにおいて、数値シミュレーションの結果、パラメーターにより規則、不規則、様々な集団パターンを形成する。それらを分類すると、(1) Marching(編隊を組んで直線運動), (2) Oscillation(群れの重心が振動運動または、旋回運動), (3) Wandering(群れの重心が不規則に迷走する)、(4) Swarming(蚊柱状態)などに分けられる。リアプノフスペクトラムの解析から(1), (2)は、規則運動、(3), (4)はカオス運動であることが分かった。理論的解析の結果、群れのorder-disorder転移は、新しく定義された無次元量でコントロールされることが明らかになり、実際の動物の群れと比較して一定程度の対応が取れることを確認した。 第二のテーマとして、運動性素子に並列、非同期的な協調を導入し、タスク処理(一種の計算)を行なわせる研究を行なった。最初に群機能と呼ぶ条件を定義した。また、社会性昆虫の餌集めにヒントを得て、資源の探索収集問題をタスクとして設定し、非同期げ、探索、相互作用、運搬、回収などの一連の動作を行なう運動素子群をモデル化し、数値シミュレーションを行なうとともに、ロボットを製作して実験を行なった。その結果、協調の有効性は環境中の資源の分布状態に依存し、最適な相互作用条件では、個体数の2乗に比例して作業効率が上昇することを示した。また、一見複雑な協調行動が簡単な相互作用により実現できることを示した。
|
-
[Publications] N. Shimoyama: "Collective Motion in a System of Motile Elements" Physical Review Letters. 76. 3870-3873 (1996)
-
[Publications] K. Sugawara: "Cooperative Acceleration of Task Performance - Foraging Behavior of Interacting Multi robots system" Physica D. 100. 343-354 (1997)
-
[Publications] K. Sugawara: "Distributed Autonomous Robotic Systems 2" Springer ed. by H. Asama, T. Tukuda, T. Arai, J. Endo, (1996)