1996 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造制御した新規な非線形光学ポリマー材料による光波マニピュレーション
Project/Area Number |
08236223
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
堤 直人 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50172036)
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Keywords | NLO有機ポリマー / 第2次高調波発生 / 非線形光学 / 光波マニピュレーション / NLO双極子 / Transverse配列 / 長期安定性 |
Research Abstract |
高次構造制御によるNLO色素の配向安定化を行った新規な配向ポリマーの分子設計を目的として,主鎖に対して垂直の方向に配向した遷移モーメントおよび双極子モーメントを有するNLO基を導入した新規な非線形光学直鎖状ポリマーの創製を行い,それらのNLO有機ポリマー素子による光波マニピュレーションを目標とする。 本年度の研究では,主鎖に対してtransverseの方向に非線形光学(NLO)双極子モーメントを有する線状ポリウレタン(T-polymer)からの第2次高調波発生(SHG),およびその熱安定性,ならびにNLO双極子モーメントの配向緩和挙動を検討した。94℃でポーリングしたT-polymerでは,SHG活性は室温で50年以上の長期に亘って安定であることが示され,d_<33>値の緩和時間τが80℃でポーリングした場合と比較して3桁以上も大きく,NLO双極子がより配向安定化されることが示された。d_<33>値も94℃でポーリングした場合の方が,80℃でポーリングした場合と比較してかなり大きい。これらの結果は,より高温でのポーリングでパッキング密度が上がり,そのために自由体積がより減少したため,ならびに水素結合の再配列による配向構造の安定化のためなどが原因と考えられた。
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