1996 Fiscal Year Annual Research Report
非対称場を生み出す新規ポルフィリン性π-共役化合物の分子設計と超分子化
Project/Area Number |
08236229
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
古田 弘幸 大分大学, 工学部, 助教授 (40244157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 雄一 大分大学, 工学部, 助教授 (30184500)
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Keywords | ポルフィリン / N-混乱ポルフィリン / ポルフィリン異性体 / 非線形光学 / ニトロポルフィリン |
Research Abstract |
本年度は、ポルフィリン環のπ-電子雲を面外方向に導き、面内に存在したdipoleを面外方向に大きく伸ばす目的で、″N-混乱ポルフィリン″(NC-P)の環内部炭素に電子吸引基(ニトロ基)を直接導入することを検討した。 ニトロ置換「N-混乱ポルフィリン」(NCP-NO_2) NC-Pのニトロ化は1)Co(III)の亜硝酸塩を用いる方法、及び、2)硝酸/塩酸を用いる方法、により収率50%程度で合成に成功した。生成物(NCP-NO_2)は光沢のある緑色の結晶で、溶液の色も同じくあざやかな緑色であった。可視吸収スペクトルは、塩化メチレン中ではSoret帯が472nm,Q帯が658,700nmにややブロードなピークとして観測された。極性の高いDMSO中では、484, 638, 736nmにそれぞれシフトした。種々の誘電率を持つ溶媒中でのスペクトル変化から、極性溶媒中では分子内電荷移動が存在することが示唆された。また、NCP-NO_2の立体構造はX線単結晶構造解析によって明かとなった。ニトロ基が置換したピロール環は、他の3つのピロール窒素N1, N2, N3が作る平面に対して約42度傾いている。これに対して、残りのピロール環はそれぞれ、24, 17, 17度の傾きとなっていた。さらに、NCP-NO_2は容易に還元反応を受け(SnCl_2/HCl)、定量的にアミンに変換することが確認された。このアミン体の合成成功により、今後、ジアゾカップリング反応やイミノ化反応などを通して、フェニル基などの大きなπ-電子系をポルフィリン環上に直接導入することが可能となった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Ariga,T.Kunitake H.Furuta: "Specific Binding of Iodine Ion to N-Confused Tetra phenyl porphyrin (NC-TPP) at the air-water Interface" J.Chem.Soc.Perkin 2. No4. 667-672 (1996)
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[Publications] Y.Ishikawa,I.Yoshida H.Furuta: "Nitration of N-Confused Porphyrin" Chemistry Letters. (in press). (1997)