1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08240219
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高塚 和夫 名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (70154797)
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Keywords | トンネル現象 / 化学反応 / 半古典理論 |
Research Abstract |
本研究では、多次元のトンネル現象の新しい半古典理論を構築し、その科学反応への応用を行った。特に、(1)トンネル座標以外の振動励起、脱励起のトンネルへの効果、(2)多次元トンネル化科学反応系(時間依存のトンネル現象)で、反応確率を高めるためのエネルギー注入モードや、生成物のエネルギー分布のあり方、(3)多体効果としてのカオスとトンネルの関わり、(4)同時に複数の粒子がトンネルする共同現象、等を定性的かつ定量的に解明しつつある。 我々の提案した多次元トンネル理論は、配位空間にトンネル次元と非トンネル次元を許容する。運動のパリティーと称する、1か-1の指数を各次元に割り付け、1については通常の古典力学的運動(ニュートン運動)、-1については反ニュートン運動、つまり、ポテンシャルの坂を登っていく運動が許される。後者の次元がトンネルに対応するが、系全体は非分離系として運動するので、トンネル次元と非トンネル次元は、相互作用してエネルギーの交換を行う。全てのパリティーは1のとき通常の古典力学(ニュートン力学)に復帰する。トンネル現象は、ニュートン解の空間から、幾つかの(通常1個の)パリティーを負に変えることによってトンネル位相空間に移り、そこに滞在してから、再びパリティーを1に戻してニュートン空間に戻る軌道の集合と捉えられる。 この一般化された古典力学解を経路積分に組み込み、トンネルを許容する半古典理論を構成した。これを一般的な化学反応系に応用したところ、トンネルチューブと呼ぶ多様体の存在とその重要性が明らかになった。トンネル現象を起こし易くするためのエネルギー注入のモードや、生成物におけるエネルギー分布などが、このトンネルチューブの大きさによって決定されていることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Ushiyama: "Semiclassical Study on Multidimensional Effects" J.Chem.Phys.(印刷中). (1997)
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[Publications] K.Takatsuka: "Global Representation of Maslov-type Semiclassical" Phys.Rev.Lett.78. 1404-1407 (1997)
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[Publications] K.Takatsuka: "Stationary-State Scattering Theory for Dissociative" Phys.Rev.A. 55. 347-360 (1997)
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[Publications] K.Takatsuka: "A Scrutiny of the Premise of the RRKM Theory" J.Chem.Phys.105. 10356-10366 (1996)
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[Publications] C.Seko: "Non-Ergodicity and Two Sub-Phases in the Coexistence" J.Chem.Phys.104. 8613-8626 (1996)
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[Publications] H.Ushiyama: "Statistical Redistribution of Trajectories" Phys.Rev.E. 53. 115-123 (1996)