1996 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波散乱計によって観測された海上風データの誤差要因に関する研究
Project/Area Number |
08241206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江淵 直人 東北大学, 理学部, 助教授 (10203655)
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Keywords | マイクロ波散乱計 / 海上風 / リモート・センシング / 大気海洋相互作用 |
Research Abstract |
ERS-1/AMI散乱計の海上風ベクトルデータを気象庁ブイ,NDBCブイおよびTOGA-TAOブイと比較することにより,精度検証を行うとともに,マイクロ波散乱計による海上風観測に対する観測環境の影響について調べた. ブイデータとの比較に際しては,観測位置のずれが25km以内,時間差60分以内のデータのみを用い,従来精度がよくないといわれている内側3つの観測セルのデータは除外した.ブイの風速・気温・湿度の観測データは,安定度の効果を含むバルク係数を用いて中立成層,高度10mの値に換算した.散乱計の風速とブイの風速の比較においては,残差の標準偏差が2m/s以下でよい一致が見られたが,残差の値が,風速に系統的に依存することも明らかとなった.風向の比較においては,低風速域でばらつきが大きいことが明らかとなった.風速5m/s以下のデータを用いれば,残差の標準偏差は30°以下となることが示された.風速に依存する残差の影響を除くために,風速が6-8m/sのデータのみを用いると,各ブイごとの風速の残差の平均値は,ブイの緯度に依存することが示された.また,各ブイごとの残差の時系列には残差が季節変動する様子が見られた.このような,残差の緯度分布や季節変動は,観測環境が散乱計による海上風観測に影響を与えている結果と予想される.ブイの気象・海象データと風速の残差との相関を調べたところ海面水温と負の相関,および有義波高と正の相関が得られたが,気温水温差との相関は見られなかった.
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