1996 Fiscal Year Annual Research Report
複数の衛星データと地理情報の総合化による広域フラックス推定方法に関する研究
Project/Area Number |
08241211
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (30201495)
|
Keywords | リモートセンシング / 地理情報システム / フラックス |
Research Abstract |
衛星データを用いて広域のフラックスを求める方法としては以下の3つが考えられる。 (1)熱収支式の各項に衛星計測を用いた短期の蒸発量推定法 (2)地上観測値と衛星データの組合せによる経験的な蒸発量推定法 (3)地上観測値と衛星データによる指標値との経験的な関係に基づく蒸発量推定法 現在の衛星の運用状況では近日中に(1)の手法の制度を上げることは困難であるので、本研究では(2)および(3)の方法を重視する。今年度は可視・赤外のリモートセンシングを重視し、地表面の乾燥状況を把握する手法および植生指標と蒸発散量の関係の2点について検討を行った。得られた結果は下記の通りである。 (1)輝度温度と植生指標の画像データを用いて地表面を乾湿を推定する手法を中国、淮河流域に適用し、良好な結果を得た。この手法の適用範囲、物理性を確認すると共にアジアの他の地域で試用することが次の課題である。 グローバルデータセット(ここではGVI)による植生指標の年間積算値は水不足の生じていない場合、年蒸発散量の指標となることを示した。NOAA/AVHRRのGACやLACのア-カイブデータの利用により計算の精度を上げること、乾燥・半乾燥地域における蒸発抑制効果を手法に取り入れること、これらの情報から地点情報を広域情報に拡張する手法を発見することが次年度の課題である。 (3)高分解能画像データの時系列データ(本研究ではTM)から牧草の成育期間における日蒸発散量を高精度で求めることができることを示した。次年度は他の植生の反射輝度の季節変化を求め、蒸発散量との整合性を確認する。また、配付が始まるADEOS/AVNIR(16m分解能)の利用を予定している。
|