1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08242218
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 忠勝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00242462)
落合 鐘一 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (70169324)
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Keywords | ナノ結晶 / アモルファス合金 / 超塑性 / 高分解能電子顕微鏡 / 粘性流動 |
Research Abstract |
本研究では、液体急冷La_<55>Al_<25>Ni_<20>アモルファス合金リボンについて、ガラス転移温度(Tg)以上、結晶化温度(Tx)近傍での引張試験を行い、その変形挙動について検討を行った。また、高分解能電子顕微鏡を用いた引張試験後の試料の構造観察や、電子顕微鏡内試料加熱ステージによる結晶化過程構造変化のその場観察および電子回折強度分布の精密測定を行い、超塑性現象に関わる構造についての知見を得た。 [結果] インストロン型引張試験装置により、220,240,260℃の各温度で、0.02-50mm/minのヘッドスピードで試験を行った。最大伸びは220℃で150%、240℃で260%、260℃で270%に達し、特に歪み速度は、240℃で1×10^<-2>sec^<-1>,260℃で1×10^<-1>sec^<-1>と非常に大きいことが判明した。また、歪み感受性指数は0.9(220℃),0.4(240℃),0.6(260℃)と高く、これらの数値により、いずれの引張試験温度のもとにおいても超塑性が発現していることが判明した。 電子顕微鏡内加熱ステージによる観察では、220℃、240℃では完全なアモルファス構造であり、250℃あたりから結晶化が進行することが判明した。実際に超塑性変形した220℃、240℃変形試料での電子顕微鏡観察では、アモルファス母相中に、非常に微細な(10-20nm)結晶相が分散しており、アモルファス状態での塑性変形中に微結晶化が進行することが判明した。本合金の超塑性現象は、アモルファス相の過冷却液体状態での粘性流動に相当する可能性がある。
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