1996 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動法による磁性フェライト材料の傾斜機能化プロセスの開発
Project/Area Number |
08243217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇都野 太 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70232874)
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Keywords | 傾斜機能材料 / プロセス / セラミックス / 電気泳動法 / フェライト / γ-FeOOH / ZnO / 厚膜 |
Research Abstract |
電気泳動法は、セラミックスなどの微粒子を含む懸濁液を作製し、基板に電界をかけ、泳動により微粒子を基板上に堆積させるという方法であり、既存の気相法と比較しても装置的に簡素かつ安価で、比較的大きな面積に均一に成膜できる利点がある。電気泳動法に関する研究が多く行われているが、2種類以上の粉体を混合し分散させた懸濁液を用いての電気泳動法は、研究例も少なく、実験による試行錯誤で膜組成を制御しているのが実際である。本研究では、電気泳動法を用いての液相法によるセラミックス系のFGMの合成プロセスの一手法を確立することを目指し、2種類のセラミックス粒子の混合懸濁液を用いた電気泳動法のFGM作製プロセスの応用の可能性を探索した。目的の厚膜は、Zn_xFe_<2-x>O_4の亜鉛フェライトにおいてxの値を制御することで傾斜化された、すなわち、Fe_2O_3から亜鉛フェライト(ZnFe_2O_4)のFGM厚膜とした。さらに、電気泳動プロセスは、溶媒の種類、pHなど様々な要因で、粒子の電着量が変化するので、それらを制御することによる電気泳動法の傾斜化プロセスへの応用も検討した。 原料試薬としてγ-FeOOHとZnOを用い、この混合比の異なる3種類の混合懸濁液を用いて電気泳動を行い、傾斜化膜を作製した。作製した膜の断面の組成分析により、作製された膜が、傾斜化していることが確認された。さらに、熱処理後のフェライトとなった膜の組成分析でも傾斜化が維持されていた。2種類の混合電着では、用いた試料の作製状況により電着組成比が異なるが、この電着組成比を調べることにより、目的の傾斜化がこのプロセス手法で行えることが確かめられた。一方、pH制御による傾斜化プロセスも検討した結果、再現性には乏しかったが、pHによる組成制御の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)