1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08243224
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
熊田 伸弘 山梨大学, 工学部, 助教授 (90161702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 教授 (50029732)
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Keywords | 低温水熱反応 / リン酸ジルコニウム誘導体 / 多孔体 |
Research Abstract |
無機化合物から有機化合物への傾斜化は生体材料への応用が第一に考えられているが、そればかりでなく有機化合物の「柔らかさ」と無機化合物の「固さ」を組み合わせた新しい複合材料を可能にすると考えられる。本研究では2次元的な無機層状化合物の層表面において無機から有機への傾斜化を試み、有機分子の種類や大きさによって細孔径を自由に制御した新しい多孔体を合成することを目的としている。無機層状化合物として層状リン酸ジルコニウムを用い、リンを介した層表面で有機リン化合物を傾斜複合化した無機-有機傾斜複合体を合成し、さらに層間にアニリン等の層と結合しにくい有機化合物を合成時にインターカレーションさせ、それを加熱によって取り除くことによって新しい多孔体を合成することを試みた。 オキシ塩化ジルコニウム、オルトリン酸およびフェニルホスホン酸のモル比を1:4:4とし、アニリンをジルコニウムに対して1〜5倍モル加えて合成実験を行った。生成物のTG曲線には3段の重量減少が認められ、質量分析の結果からそれぞれ、層間水、アニリンおよびフェニルホスホンのベンゼン環の脱離によるものと考えられた。また、3段目の重量減少によって層構造が破壊されて無定形となった。したがって、アニリンの脱離による構造破壊はなく、フェニルホスホンがピラ-となったピラ-構造を形成しているものと考えられる。TG曲線における各段の重量減少から層間の水、アニリンおよびフェニルホスホンのジルコニウムに対する量を計算した結果、フェニルホスホンの量は合成時に加えたアニリンの量に依存せずジルコニウム1モルに対して0.55でほぼ一定であるのに対し、アニリンの量は0.1から0.4まで増加することがわかった。このような無機-有機傾斜複合体からアニリンだけを脱離させることによって多孔体を合成することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Ion-exchange of Cesium Ion in CsLnW_2O_8 (Ln=Yb,Lu) with Potassium Ion" J.Mater.Sci.Letters. 15. 437-438 (1996)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Soft-chemical Reaction of A Layered Reduced Niobium Oxide ; Rb_<1.51>Nb_<10>O_<17>" Mater.Res.Bull. 31. 257-261 (1996)
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[Publications] N.Kumada et.al: "CsLaNb_2O_7" Acta Cryst.C52. 1063-1065 (1996)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Preparation and Crystal Structure of K_2YNb_5O_<15-δ>" J.Solid State Chem.123. 285-290 (1996)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Ion-exchange Reaction of Rubidium Ion in Rb_8Nb_<22>O_<59>" Chem.Letters. 1996. 989-990 (1996)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Preparation and Crystal Structure of A New Lithium Bismuth Oxide : LiBiO_3" J.Solid State Chem.126. 121-126 (1996)