Research Abstract |
本研究では,ネットワーク上に分散する多種多様なデータを統合し,自律的機能や協調作業を通じ,データベース構造が時空間的に発展していけるようなデータベースシステムの構築技術の研究を以下の4項目に関して行った. 1. マルチメディア情報の構造化の研究 Glue/Filter代数演算による映像検索モデル,時刻印付きオーサリンググラフ,ベクトル空間の全体傾向を考慮した類似部分一致検索方式,分散オブジェクトによる版権課金管理方式,複数詳細度を持つデータのアクセス管理機構,依存関係をもつデータのアクセス権の一貫性検証方式,映像からのカット検出と記事切り出し方式とニュース音声中のキーワード認識とテロップ文字認識に基づくニュース記事索引付け方式,スポーツ・ニュースのシーン自動分類方式,映像中の顔や話者の自動索引付け方式,ストーリ文法やプロトタイプ概念に基づく映像内容記述方式,グラフで表された知識表現からの並列処理による部分構造発見アルゴリズム,Dynamic Time Warping法を用いた身体運動の動作識別方式などの成果を得た. 2. インターネットデータベースの研究 自己組織化マップとユーザ対話に基づくWeb文書自動分類方式,Web文書群の文脈を考慮した索引付け方式,半構造データにおける実体の発見方式,インターネット情報の動的分類木作成方式,経路構造存在制約に基づくWeb文書のリンク構造の一貫性管理方式,データマイニングの相関ルールを用いた検索エンジン問答(RCAAU)の開発と公開実験・実証実験,非対称な分散環境下における異種テキストデータベースのデータマイニング方式の開発などの成果を得た. 3. 移動携帯型データベースの研究 ネットワークの動的接続や断線などの移動体計算環境に特有の事象に動的に対応するため,能動型データベースを用いたアクティブモーバイルデータベースシステム(AMDS)の研究・開発を行ない,応用として,スケジュール管理システムを構築した.さらに,効率的なデータベースアクセスを目的として,移動体の位置管理技術の研究やそれを基盤とした問合せ処理の効率化方式についての研究,および複製配置に関する研究を行ない成果を得た. 4. エージェント型分散データベースの研究 開放的・動的な環境における半構造データやマルチメディアを含む異種情報源を統合利用するメディエーション・システムの設計,エージェント技術と能動データベース技術を融合したメディエータモデル,メディエータの情報評価機構におけるデータマイニング技術等の研究開発を行なった.主に,KQML-CORBA環境におけるラッパーの自動生成と質問処理,協調エージェントのための拡張トランザクションとECAルール表現方式,分散・科学データベースにおけるクラスタリングと相関ルールを適用した知識発見,演鐸オブジェクト指向パラダイムに基づく情報源の共通モデルとメディエータ仕様記述言語の設計・実装,XMLへの拡張に基づく異種文書の統合システムの構築,グループウェアにおける個々の作業者のコミュニケーション履歴やシステムと作業者の対話履歴,システム要素間の通信履歴を格納するグループ活動データベースの提案・設計などの成果を得た. ※ 成果の公表を見合わせる必要がある場合は,その理由及び差し控え期間等を記入した資料(A4判縦長横書き1枚)を添付すること。
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