1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08246237
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山中 昭司 広島大学, 工学部, 教授 (90081314)
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Keywords | リン酸ジルコニウム / 無機高分子 / グラフト / エチレンイミン / 層状無機-有機誘導体 |
Research Abstract |
[目的]γ型リン酸ジルコニウム(γ-ZrP)の層間でエチレンオキシドを開環して反応させると層間に-OH基を有する誘導体を合成できる。本研究ではエチレンオキシドと同様の三員環化合物であるエチレンイミンをγ-ZrPと反応させることにより、層間にアミノ基を有するリン酸ジルコニウム有機誘導体(ZrP-EI)の合成を試みた。 [研究成果の概要]γ-ZrPをエチレンイミン水溶液に加え、60°Cで12時間反応させた後、水及びエタノールで洗浄し、40°Cで一晩乾燥させた。さらに残留モノマーを取り除くため0.1NのHClで洗浄した。また、反応時に少量のエタノールアミンを加え、その添加効果を検討した。 エタノールアミンを少量添加してエチレンイミン水溶液とγ-ZrPの反応を行うと層間距離は12.3Åから約20Åに拡大し、熱重量分析より約2molのエチレンイミンが層間に取り込まれることがわかった。エタノールアミンを添加しない場合には層間距離の拡大は13Åにとどまりγ-ZrP1mol当たり約1molのエチレンイミンが層間で反応した。γ-ZrPはZr(PO_4)(H_2PO_4)・2H_2Oと書き表され、2種類のリン酸基が含まれるが、層間表面のH_2PO_4基だけがエチレンイミンと反応すると考えられる。このγ-ZrP-EIの^<31>P-CP MAS NMRを測定した。その結果、γ-ZrPにはPO_4とH_2PO_4基に帰属できる吸収がそれぞれ-27及び-8ppmに観察されるが、層間距離が20ÅのZrP-EIでは-8ppmの吸収が消失し、-18ppmにシフトした。この変化はエチレンイミンがグラフトしたことを示唆すると思われる。層間にアミノ基を導入したことにより、アジピン酸などの有機酸との高次複合化が期待できる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S. Yamanaka: "New Deintercalation Reaction of Calcium from Calcium Disilicide. Synthesis of Layered Polysilane" Mat. Res. Bull.31. 307-316 (1996)
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[Publications] K. Nishimura: "Characterization of Layered Polysilane" Jpn. J. Appl. Phys.35. L293-296 (1996)
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[Publications] S. Yamanaka: "New Layer Structured Nitride Superconductor. Lithium Intercalated β-Zirconium Nitride Chloride, LixZrNCl," Advanced Mat.8. 771-774 (1996)
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[Publications] 山中昭司: "アニオン交換性層状塩基性塩の合成と特性" J. Ion Exchange. 7. 8-16 (1996)
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[Publications] H. Y. Zhu: "Molecular Recognition by Na-loaded Alumina Pillared Clay" Faraday Transactions. (in press). (1997)
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[Publications] 川路 均: "シリコンクラスレートおよび層状シリコンの合成、構造と物性" 表面科学. (印刷中). (1997)
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[Publications] S. Yamanaka: "Ed. Klaus Sattler, Trans Tech Publications Ltd." Preparation and Superconductivity of Silicon Clathrate Compounds, in Cluster Assembled Materials., 308 (1997)