過密空間における震災時の人間行動

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08248104
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 廣井 脩 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (80092310)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高橋 和雄 長崎大学, 工学部, 教授 (30039680) ; 林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949) ; 津金沢 聡廣 関西学院大学, 教授 (30079628) ; 船津 衛 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90047184) ; 橋元 良明 東京大学, 社会情報研究所, 助教授 (50164801)
• Keywords: 群衆行動 / パニック / 災害情報システム / 災害情報収集・伝達計画 / 住環境提供・管理システム / 心的外傷後ストレス / 災害復旧情報 / 被害額算定法

Research Abstract

本年度における調査研究の概要は以下の通りである。
震災時における群衆の行動に関する調査研究としては、液・デパート、娯楽場などの不特定多数収容施設におけるパニックの事例、現行の地震対策とその問題点について、聞き取り調査を実施した。社会的混乱の制御法に関する研究としては、全国の地方自治体(都道府県、市区町村)に対して、災害情報システムの整備状況、災害情報収集・伝達計画、復旧情報の伝達計画などに関するアンケート調査を行なった。被災者への住環境提供・管理システムに関する研究としては、雲仙普賢岳噴火後の島原市における避難生活の問題点の摘出と改善策の提起を行なった。被災者の心的外傷後ストレスとその軽減法に関する研究としては、阪神・淡路大震災の事例を中心に、一般住宅と仮説住宅に居住する成人、神戸市立高校生、および高齢者を対称に調査を継続的に実施し、そのデータ解析を通じて心的ストレスの実態を明らかにした。災害復旧情報の提供システムに関する研究としては、復旧戦略を立てるうえで不可欠な震災被害の実態を把握するため、公共施設だけでなく、住家被害、家財被害、人的被害を含めた総合的な被害額の算定法を確立することを目的に各種調査を実施した。

Research Products

• [Publications] 廣井 脩: "The Deveropment of Disaster Broadcasting in Japan" STUDIES OF BROADCASTING. No.32. 6-32 (1996)
• [Publications] 船津衛: "自治体の災害情報システム" 平成8年度文部省科学研究費重点領域研究(1)研究報告書. 1-148 (1997)
• [Publications] 林春男: "5th U.S./Japan Workshop on Urban Earthquake Hazard Reduction" Plenary Presentation Papers and Expanded Abstracts. 1-6 (1997)
• [Publications] 橋元良明: "発災時のパニック誘発要因と防止対策" 第1回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集. (1996)
• [Publications] 高橋和雄: "長期化した雲仙普賢岳の火山災害における住環境管理" 第1回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集. 315-318 (1996)
• [Publications] 津金沢聡廣: "Media Reporting and Rumor Following the Great Hanshin Earthquake" STUDIES OF BROADCASTING. No.32. 115-140 (1996)