1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08248209
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
年縄 巧 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00188749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 昌志 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80242311)
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Keywords | 地下地震 / 堆積平野 / 地震被害 / 地震動増幅 / 地震観測 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
甲府盆地では,1854年安政東海地震及び1923年関東地震において平野の一地域で震度6の被害を記録した.甲府盆地とこれら2つの地震の震源距離はどちらも60km程度であったが被害の集中した地域は異なっていた.すなわち,1854年安政東海地震の際には盆地南西部に被害が集中し,1923年関東地震の際には盆地南東部で被害が集中するという,地震波の到来方向に依存する被害パターンが生じた. 本研究では,1923年関東地震の被害分布の成因を説明するために盆地南東部から北部の地盤をモデル化し,数値解析を行った.地盤モデルを作成するために,まず盆地内で常時微動測定を行い,卓越周期を推定し,弾性波探査の結果を参考として地表面のP波・S波速度,密度,厚さを決定した.その結果,地盤モデルはS波速度は220m/s程度,表層の地盤厚さは深いところで60m程度となった.この地盤モデルを用いて入射波の周期や入射角をパラメターとして数値解析を行い,1923年の関東地震の際に被害が大きかった地域は,傾斜地盤の影響によって地震動の振幅が増幅されることがわかった. 数値解析と平行して,甲府盆地の4地点において地震観測を開始した.これら4地点の地震記録と科学技術庁防災科学研究所の観測記録を用いれば,盆地内の地震波の伝播特性,増幅特性を明らかにすることが期待される.また,盆地内の構造をさらに詳しく調べるために来年度は長周期微動のアレー観測を行う予定であり,得られた地盤構造を基に甲府盆地を3次元的にモデル化し,1923年関東地震の被害分布だけでなく1854年の安政東海地震の被害分布の成因についても検討したいと考えている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.TOSHINAWA: "Interpretation of microtremor records." The 1995 Hyogoken-Nanbu Earthquake-Inuestigation into damage to civil Engineering structures,JSCE. 27-34 (1996)
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[Publications] T.TOSHONAWA,M.MATSUOKA and Y.YAMAZAKI: "Ground-motion characteristics in Sartiago,Chile,obtained by microtremor observations" Proc.of the 11th World Conference on Earthquake.Engineering. No.01764. (1996)