1996 Fiscal Year Annual Research Report
I型インターフェロン系における遺伝子制御ネットワークの解析
Project/Area Number |
08250223
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
藤田 尚志 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (10156870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 伸昌 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (00270687)
平井 玲子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (00125238)
米山 光俊 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (40260335)
|
Keywords | インターフェロン / 転写因子 / IRF / IFN / ウイルス / ウイルス感染 / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
昨年度までに我々の研究によってインターフェロン(IFN)の産生系にオートクラインによるフィードバックが重要であることが明らかとなったが、細胞をIFN処理、またはNF-κBを誘導するTNF-alphaで同時に処理してもIFN遺伝子は活性化されない。実際IFN遺伝子のプロモーターに結合する因子を検出したところ、既知のIRF-1,IRF-2,ISGF3などの他に通常時に結合しており、遺伝子の活性化にともなって結合が見られなくなる因子が観察された。この因子が何らかの形でレプレッサーとして機能しているという仮説のもとに、この因子をヒト線維芽細胞より大量に精製し、一次構造を決定した。この因子はDNAヘリカーゼ、二重鎖DNA切断修復に重要な蛋白質として知られているものと同一であった。また遺伝子発現を負に制御することが報告されており、特異的に結合するとして同定されたDNA配列はIFNプロモータの配列とのホモロジーが認められた。 フィードバックに依らない、ウイルス感染の直接の結果活性化される経路が少なくとも活性化の初期には機能しているはずである。そしてウイルス感染による活性化はIRFエレメント単独で起こることから、未だ解析のされていないIRFファミリーの転写因子がこのような一次的な活性化を担っていることが考えられた。入手可能な遺伝子について機能解析を行ったところ少なくとも1種類のIRFファミリーの転写因子がウイルス感染特異的に分子修飾によって活性化されることが判明し、細胞質からの情報を核へと伝えていることが判明した。
|
-
[Publications] Suhara,W.: "Structure of mouse interferon stimulated gene factor 3γ(ISGF3γ/p48)cDNA and chromosomal localization of the gene" Journal of Biochemistry. 119. 231-234 (1996)
-
[Publications] Hirai,R.: "A human transforming growth factor-β type II receptor that contains an insertion in the extracellular domain" Experimental Cell Research. 223. 135-141 (1996)
-
[Publications] Nelson,N.: "Expression of interferon regulatory factor(IRF)family proteins in lymphocytes.induction of Stat 1 and ICSBPexpression by T cell activation" Journal of Immunology. 156. 3711-3270 (1996)
-
[Publications] Yoneyama,M.: "Autocrine amplification of type I interferon gene expression mediated by interferon stimulated gene factor 3 (ISGF3)" Journal of Biochemistry. 120. 160-169 (1996)