1996 Fiscal Year Annual Research Report
四肢の発生における細胞間シグナル因子のネットワーク
Project/Area Number |
08254219
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 泰彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10234030)
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Keywords | パターン形成 / 肢芽 / 骨形成因子(BMP) / BMPレセプター / Sonic hedgehog / LIMドメイン蛋白質 / ホメオドメイン蛋白質 / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
パターン形成の分子メカニズムを解明するために、ニワトリ胚の肢芽でレトロウイルスベクターを用いて種々の遺伝子を異所的に発現し、四肢パターンに対する影響を調べた。 タイプI(BRK-1、BRK-2)、タイプII(BRK-3)のBMPレセプターのうち、BRK-1は肢芽間充織で弱く発現し、一方BRK-2は肢芽中心部の凝集した間充織で局所的に発現し、発生が進むと指骨の先端部で強く発現する。BRK-3は指の間の間充織および頂堤で発現が見られる。 キナーゼドメインを欠失した優性欠損型(DN)のレセプター、BRK-2-DN/BRK-3-DNをレトロウイルスベクター(RCAS)を用いて肢芽全体で発現させると軟骨分化が抑制され、その結果骨のパターンに異常が見られる。骨の欠損は後部側先端部で優先的に起こり、前腕では尺骨が欠損する。先端部の指骨、中手骨の欠失も後部側でより顕著である。しかしこれらは単独では効果が見られないので、BRK-2/BRK-3のレセプター系が指骨のパターン形成に関係していると考えられる。リガンドのBMP-2、BMP-7のみならずレセプターのBRK-2もSonic hedgehog(Shh)によって発現誘導されること、またShhからPatched/Smoothenedへの系は短距離のシグナルとして働くことなどから、BMPはShhの下流で働く前後のパターン形成に関与する遠距離のシグナルであると推定される。 肢芽で発現するLIMドメインを持つホメオドメイン蛋白質(LIM-HD)をコードする遺伝子をニワトリ胚で同定し、その発現パターンを調べた。LH-2サブファミリーのうちLH-2Aは遠近軸に関して、LH-2Bは前後軸に関して固有の発現パターンを示すことを見出した。特に、LH-2Bはステージ18〜30で肢芽の前側半分の間充織で一貫して発現し、これはShhによって発現抑制がかかる。RCASを用いてこれを肢芽全体で発現すると、四肢の骨のパターンには影響が見られなかったが、後部の羽芽のパターンが前部の形質に変換した。このことは、LH-2Bが肢芽において外皮の形質を決める因子であることを示唆する。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Iseki,Sachiko,et al.: "Sonic hedgehog is expressed in epithelial cells during development of whisker,hair,and tooth" Biochemical and Biophysical Research Communications. 218(3). 688-693 (1996)
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[Publications] Koyama,Eiki,et al.: "Polarizing activity,Sonic hedgehog,and tooth development in embyonic and postnatal mouse" Developmental Dynamics. 206(1). 59-72 (1996)
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[Publications] Kawakami,Yasuhiko,et al.: "BMP signaling buring bone pattern determination in the developing limb" Development. 122(11). 3557-3566 (1996)
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[Publications] Yoshioka,Hidefumi,et al.: "A Drosophila receptor-type tyrosine kinase(DFR1) acts as a fibroblast growth factor receptor in Xenopus embryos" Development,Growth & Ddifferentiation. 38(6). 617-624 (1996)
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[Publications] Ohuchi,Hideyo,et al.: "A chick wingless mutation causes abnormality in maintenance of Fgf8 expression in the wing apical ridge,resulting in loss of the dorsoventral boundary" Mechanisms of Development. (in press). (1997)
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[Publications] Ishikawa,Tetsuya,et al.: "Expression of the JNK2-α1 gene in the developing chick brain" Biochemical and Biophysical Research Communications. (in press). (1997)
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[Publications] 濃野勉: "四肢パターンを決めるホメオボックス遺伝子" 実験医学. 14(8). 1185-1191 (1996)
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[Publications] 野地澄晴,濃野勉: "四肢形態における骨成長因子とヘッジホッグの役割" 分子骨代謝学と骨粗鬆症. 201-210 (1996)
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[Publications] 川上泰彦,他: "ホメオボックス遺伝子の機能" 生体の科学. (印刷中). (1997)