1996 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型細胞増殖因子と細胞外マトリックスの相互作用によるシグナルの伝達
Project/Area Number |
08254220
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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Keywords | ジャクスタクライン / インテグリン / HB-EGF / CD9 / TM4ファミリー / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 膜結合型細胞増殖因子 / エミリン |
Research Abstract |
形態形成や組織化における膜結合型細胞増殖因子HB-EGFの作用機構と生理的役割の解明を目的とする。これまでの研究は、HB-EGFがインテグリンやヘパラン硫酸プロテオグリカン、膜4回貫通型蛋白質CD9等と複合体を形成し、細胞間相互作用に働いていることを示唆している。本年度は、細胞接着や細胞増殖におけるこのコンプレックスの役割を明らかにするためにさらに解析を行ない以下の成果を得た。 (1)HB-EGF-DRAP27/CD9-インテグリン複合体にアソシエ-トする田の分子の同定 細胞の可溶化膜分画を抗インテグリンα3抗体や抗HB-EGFで免疫沈降して、共沈してくるタンパク質の同定を行なった。その結果、CD9と同じTM4ファミリーに属するCD63とCD81もこの複合体に含まれていることが明らかとなった。これらの分子がCD9同様にHB-EGFのジャクスタクライン活性を上昇させるかどうかを調べるたところ、CD81はCD9と同程度の上昇活性を示したが、CD63はCD9ほどHB-EGFのジャクスタクライン活性を上昇させず、TM4ファミリーの間で機能分担があることが示唆された。 (2)髄鞘での-DRAP27/CD9の発現解析 生体におけるHB-EGF-DRAP27/CD9-インテグリン複合体の役割を知るために各種組織でのCD9の発現を調べた。いくつかの組織でCD9の興味深い発現が観察されたが、特に中枢および末梢神経の髄鞘においてCD9の顕著な発現が認められた。これまで髄鞘において、TM4ファミリーの存在は全く知られておらず、髄鞘の形成と機能維持にこの蛋白が関わっているかどうかが今後の問題として提起された。また、これまでの実験では、髄鞘のCD9にはβ1インテグリンがアソシエ-トしていることが示されている。HB-EGFについても免疫組織化学的手法で調べたが、その存在は認められなかった。
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[Publications] Tsuneoka,M.: "c-myc activates RCCl gene expression through E-box elements." Oncogene. (in press).
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[Publications] Nakagawa,T.: "Amino-terminal processing of cell surface haparin-binding EGF-like growth factior upregulates its juxtacrine but not its paracrine growth factor activity." J.Biol.Chem.271. 30858-30863 (1996)
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[Publications] Nakamura,Y.: "Expression and distribution of CD9 in myelin of the central and peripheral nervous systems." Am.J.Pathol.149. 575-583 (1996)