1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08255223
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 芳朗 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50152541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗宮 功 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60025947)
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Keywords | ヘテロサイクリックアミン / オゾン / 紫外線 / 二酸化チタン / 光酸化 / ラジカル |
Research Abstract |
水環境中の遺伝毒性に寄与している物質群として、人間の食品由来である加熱蛋白質に生成する発ガン性のヘテロサイクリックアミンが、排泄物を通して処理場に流入し、なおかつそれらが生物分解のみでは除去されがたい。本研究では、これら物質群に反応する総括的指標として、芳香族アミンに高感度に反応して遺伝毒性を誘発するテストアッセイ系を処理水に適用し、さらにこれら物質群の処理場での除去をはかるために、紫外線・オゾン・ラジカルによる酸化分解を併用して、除去効果を検討した。その結果、 1)O県K処理場最初沈殿池流入水中には、ブルーキチン、Sep-pak抽出物ともに芳香族アミン由来の遺伝毒性陽性であったが、最終沈殿池流出水では、ブルーキチン抽出物のみ陽性であった。多環芳香族は生物分解を受けにくいことが示唆された。また流入水の固液物をメタノールで抽出したものにも毒性が認められた。 2)A県Hし尿処理場生物処理水には多環の芳香族アミン由来の遺伝毒性が認められた。またヘテロサイクリックアミンのTrp-P-2が同定できた。 3)水中のTrp-P-2は直射日光(数百μ W/cm^2)により、40%程度分解する。同等の紫外線ランプによっても同じ結果が得られた。しかし曇天になると紫外線強度は1/100となり分会は停止した。 4)紫外線(220mm長、最大5600、最小8200μ W/cm^2・hr)と二酸化チタン(4g/3L)による反応では、Trp-P-2は1時間以内にほぼ消失した。また遺伝毒性は30分以内に陰性となり、光酸化反応の効果が極めて強いことが示唆された。同様にMeIQxに関しても90分程度で消失した。
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