1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08255242
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20127989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 常憲 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (70284908)
前田 滋 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90041566)
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Keywords | ヒ素耐性バクテリア / 微生物センサー / BOD / 重金属イオン / ヒ素耐性機構 |
Research Abstract |
バクテリアや酵母などを感応素子として用いる微生物センサーにおいて大きな問題点は,試料溶液に微生物に対して有害な物質が混入する場合,微生物がダメ-ジを受け異常応答したり耐久性が悪くなることである。本研究では,本研究者らがかねてより単離していたヒ素に耐性を示す微生物(バクテリア)Klebsiella oxytocaを用いてBODセンサーを作成し,種々の重金属や有害物質を含む試料溶液を用いてその影響を検討した。従来のセンサーでは,試料溶液が重金属イオンを含むと,洗浄溶液に切り替えたときに有害物質の注入から解放されたために,一時的に微生物の呼吸活性が増しゴ-ストピークを生じるという問題があった。特に,鉛,亜鉛,鉄イオンが共存する場合このような問題は顕著であった。K.oxytocaセンサーを用いるとこのようなゴ-ストピークは見られずに安定した測定が行えた。K.oxytocaセンサーは,重金属ばかりでなく,有害物質のフェノールに対しても,従来のセンサーより高い安定性を示した。このK.oxytocaセンサーは,BODセンサーの基本性能も優れており,種々の糖類やアミノ酸類に対して良好な応答を示した。また,実際の排水サンプルについても5-day BODと良い相関性を示した。また,K.oxytocaのヒ素耐性機構について調べ,重金属耐性を向上させる細胞の順化方法について検討し,センサーの耐久性向上に結びつけた,さらに,微生物を膜に固定化する方法について改良法を検討した。備品として購入したガスクロは,ヒ素耐性発現の一つの原因として微生物体内で生成されるメチル化ヒ素の分析に使用した。
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