1996 Fiscal Year Annual Research Report
工業生産に由来する亜酸化窒素の発生と制御に関する研究
Project/Area Number |
08255246
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
手塚 還 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50118668)
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Keywords | 亜酸化窒素 / 化学工業プロセス / 硝酸酸化 / アジピン酸製造 / プラズマ酸化 / 電解接触還元 |
Research Abstract |
亜酸化窒素については重要な温室効果ガスでありながら、個別的な発生量の把握と排出抑制のための技術的な検討は今までほとんどなされてこなかった。本研究では亜酸化窒素の発生源として最近つとに重要性が認識されはじめてきた素材・製品製造などの工業生産段階、特に硝酸をキーワードとしてその製造、使用にかかわる化学品製造工程について亜酸化窒素の発生状況を正確に把握し、反応プロセス中での発生メカニズムを解明するとともに有効な亜酸化窒素の排出制御手法を開発することを目的とした。本年度は1.硝酸主要用途別での亜酸化窒素の排出状況について肥料製造工程、化学繊維原料製造工程およびニトロ化合物製造工程をとりあげ、そこでの亜酸化窒素発生の検討をおこなった。その結果、6,6-ナイロン原料であるアジピン酸製造工程において多量の亜酸化窒素が発生していることが確かめられ、その年間発生量は国内の人為的総発生量の約30%にも達するものと推定された。さらに6-ナイロンやアクリルの原料であるカプロラクタムやアクリロニトリルの製造の際にも亜酸化窒素の発生が起こりうることが指摘された。2.プロセス排ガス中の亜酸化窒素の分解除去技術の開発のための試みとして、まず亜酸化窒素をプラズマ酸化により窒素酸化物に転換し、これを硝酸原料として再利用するプロセスについて検討した。反応条件を選ぶことにより、かなり効率的に亜酸化窒素を直接二酸化窒素に変換できることが示された。また亜酸化窒素の電気化学的還元固定化についても検討し、ある種の金属錯体がこの反応に対し触媒作用を有することを見いだした。
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[Publications] M.Tezuka and M.Iwasaki: "Oxidative Degradation of Organic Pollutants in Water by Glow Discharge Electrolysis" Proc.Asian-Pacific.Confer.Plasma Sci.Techn.3. 423-427 (1996)
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[Publications] M.Tezuka and T.Yajima: "Oxidation of Aromatic Hydrocarbons with Oxygen in a Radiofrequency Plasma" Plasma Chem.Plasma Process.16. 329-340 (1996)
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[Publications] M.Tezuka: "Plasma Chemistry for Development of Novel Materials" Chemical Sciences. in press