1996 Fiscal Year Annual Research Report
大腸発癌におけるシクロオキシゲナーゼの関与とそのメカニズムの研究
Project/Area Number |
08264246
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
福田 一典 国立がんセンター研究所, がん予防研究部, 室長 (80156778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真美 国立がんセンター研究所, 生化学部, 研究員 (90214973)
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Keywords | シクロオキシゲナーゼ / プロスタグランジン / 一酸化窒素 / 大腸癌 / ドコサヘキサエン酸 |
Research Abstract |
大腸発がん過程におけるシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase,COX)の関与とそのメカニズムに関して、動物を用いたin vivoでの大腸発がん実験と、種々の培養細胞を用いたin vitroの実験系において検討し、以下の点を明らかにした。 1.Azoxymethane(AOM)誘発大腸発癌モデルを用い、COX-2及び一酸化窒素合成酵素(NOS)などの蛋白発現レベルを、Western blot法および免疫組織染色にて検討した。その結果、正常粘膜に比べ、大腸癌組織において、COX-2と誘導型NOS(iNOS)の発現が著明に増加することを見い出した。 2.AOM誘発ラット大腸粘膜異常腺窩巣形成およびAOM誘発マウス長期大腸発がん実験において、COX-2の選択的阻害剤であるニメスリドが、大腸発がんに対して抑制効果を有することが示された。 3.ω3型多価不飽和脂肪酸(PUFA)であるドコサヘキサエン酸(DHA)は大腸発がん抑制作用を示した。また、ω3PUFAが活性化マクロファージからのiNOSの発現を転写レベルで抑制することを見い出した。 4.がん予防効果を有する生薬を検討する目的にて、LPS刺激マクロファージからのプロスタグランジンE2産生に対する抑制作用を指標にして、生細胞を用いたin vitroでのCOX-2阻害活性を186種の生薬について検討した。その結果、蒼朮、桜皮、虎杖根、桂皮、厚朴、縮砂、生姜、茵チン蒿、莪朮、甘草、山椒、芍薬、連翹、などに抑制活性を認めた。さらに、in vivoの発がん抑制作用を検討するため、AOM誘発異常腺窩巣形成の抑制作用を検討した結果、縮砂などに抑制活性を認めた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohata T,et al.: "Suppression of nitric oxide production in lipopolysaccharide-stimulated macrophage cells by ω3 polyunsaturated fatty acids." Japanese Journal of Cancer Research. 88(3)(in press). (1997)
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[Publications] Takahashi M,et al.: "Expression of inducible and endothelial nitric oxide synthases in rat colon tumors induced by azoxymethane." Cancer Research,. 57(in press). (1997)