1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08265102
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
釣本 敏樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (30163885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小布施 力史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00273855)
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Keywords | DNA複製 / PCNA結合タンパク質 / 細胞周期 / S期 / DNAメチル転移酵素 / クロマチン集合 / DNA修復 / 染色体構造 |
Research Abstract |
PCNAはDNA複製の必須因子であると共に多様な因子と相互作用し、複製が進行した後のDNAの修復、染色体の再構築に深く関わることから、細胞の正常な増殖状態の維持に重要な役割を持つと考えられている。さらにこれにCDK/cyclinの阻害因子であるp21(Cip 1, Waf1)が結合し、その発現量に応じてPCNAの機能を制御する機構が想定されている。このPCNAの機能制御と正常な細胞増殖の状態の維持の関係を明らかにするため、PCNA結合タンパク質の解析およびこの結合に対するp21の影響を解析した。PCNA固定化カラムを用いてPCNA結合タンパク質を網羅的に検索した。その結果、既知を含め、10以上のPCNA結合タンパク質が検出された。この系にp21ペプチドを添加することで、p21によるPCNA結合タンパク質の結合制御を解析することができる。その結果、そのほとんどがp21により結合が抑制されること、その抑制の程度は、結合因子によって特異性があることが明らかになった。さらにPCNA結合因子の個々の特性について解析を行った。DNAメチル転移酵素MeTase)とPCNAの結合の特異性について解析し、PCNAのとの結合により(MeTase)のDNAへの相互作用が促進され、p21がこれを抑制することを示すことができた。MeTase、Fen1エンドヌクレース、クロマチン集合因子等についてPCNA上の結合部位を解析した。その結果、これらはp21やDNAポリメラーゼがPCNA上に結合するのと共通した部位に結合することを見い出し、p21の競合的結合によりこれらの結合が制御されることを明らかにした。以上より、S期核内でPCNAは複製の進行中の染色体構造維持に多面的機能を持ち、p21がそれに対する統括的制御の役割を持つことが示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Tatsumi: "Association of Human Origin Recognition Complex1with Chromatin DNA and Nuclease-resistant Nuclear Structures"J.Biol.Chem.. 275. 5904-5910 (2000)
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[Publications] K.Hohmura: "AFM with carbon nanotube probe resolves the subunit organization of protein complexes"J Electron.Microsc.. (in press). (2000)
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[Publications] T.Tsurimoto: "PCNA binding proteins"Front.Biosci. 4. 849-858 (1999)
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[Publications] H.Kobayashi: "Effects of a high-affinity antibody fragment on DNA polymerase reactions near a(6-4) photoproduct site"Photochem.Photobiol.. 69. 226-230 (1999)