1996 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子によって活性化されるカルシウム透過性チャネルの研究
Project/Area Number |
08268204
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 展 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (10272262)
|
Keywords | 増殖因子 / インスリン様成長因子 / カルシウム / カルシウム透過性チャネル / イオンチャネル / 細胞増殖 |
Research Abstract |
Bリンパ球の発現するカルシウム(Ca^<2+>)透過性チャネルCD20を線維芽細胞に発現させると,インスリン様成長因子(IGF-I)により惹起させる細胞周期のG1期のプログレッションが加速すること,IGF-IがCD20チャネルを活性化することなどをこれまで明らかにしてきた。今回,IGF-IがCD20チャネルを活性化する機構,とくにG蛋白の関与を検討した。その結果,IGF-I受容体によるCD20チャネル活性化には細胞質にGTPだけでなく,ATPが必要であることが明らかになった。またこのATPは非水解性のアナログAMP-PNPによって代替え可能であった。CD20チャネルは細胞内のGTP-γSによって活性化され,この作用にはATPは必要でなかった。したがってATPはGTP-γSによりG蛋白が直接活性化される際には不要であり,受容体によるG蛋白活性化の過程で必要であろうと思われた。excised modeのパッチクランプ法によりCD20チャネルの活性はG_<i2>蛋白のαサブユニットにより活性化されること,G_<i3>蛋白のαサブユニットは弱いながらも活性化作用をもつが,G_<i1>のαサブユニットやβγサブユニットには活性化作用がないことが明らかになった。さらにIGF-IによるCD20チャネル活性化は抗α_<i2>抗体を投与することにより抑制されたことから,IGF-I受容体が活性化されるとG_<i2>蛋白が活性化され,そのαサブユニットによりCD20チャネルが活性化されることが明らかになった。
|
-
[Publications] Kanzaki,M.,Nie,L.,Shibata,H. and Kojima,I: "Activation of Calcium-permeable Catien Channel CD20 Expressed in Balblc 3T3 cells by Insulim-like Growth Factor-I" J.Biol.Chem.印刷中 (1997)
-
[Publications] Nie,L.,Mogami,H.,Kanzaki,M.and Kofima,I.: "Blockade of DNA Synthesis Induced by PDGF by Tranilast, an Inhibitor of Calcium Entry in Vascular Smooth Muscle Cells" Mol.Pharmacol.50. 763-769 (1996)