1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08268238
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 和弘 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (70284320)
林 日出喜 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (10218589)
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Keywords | グルコストランスポータータイプ4 / グルコース取り込み / 三量体Cタンパク / ノルアドレナリン |
Research Abstract |
グルコースは動物細胞の主要なエネルギー源であり、細胞膜に存在するグルコーストランスポーター(GLUT)により細胞内外のグルコースの濃度差に依存して細胞内へ輸送される。その細胞膜輸送の分子メカニズムを解明することは生命の基本現象を理解する上でも重要であり、またグルコース利用障害は糖尿病発症の原因となる。GLUTは分子量が約55kdの膜を12回貫通する糖タンパクで、構造が類似している6種のGLUTが報告されている。その中でGLUT4はインスリン反応性グルコーストランスポーターともいわれている。GLUT4は通常は細胞内膜分画に存在しているが、インスリン刺激で細胞膜表面上にトランスロケーションして細胞内へグルコースを取り込む。そのためインスリンは血糖降下作用を持つ。今年度我々はこのGLUT4がインスリンのみならず三量体GタンパクのGqを活性化するようなノルエピネフィリンによってもGLUT4のトランスロケーションが引き起こされることを発見し、臓器によっては生理的に重要な意味をもつことが明らかとなった。 さらに、インスリンに反応して細胞表面上にトランスロケーションしてきたGLUT4がどのようなイオンチャネルと会合してK^+を細胞内へ流入させるのか明らかにするために各種イオンチャネルcDNAをインスリンレセプター、GLUT4mycと共に安定に発現させたクローンを確立し、そしてどのようなイオンチャネルがインスリン刺激によるK^+細胞内流入に関与しているのかを現在検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kishi,K.,Ebina,Y.et al.: "Gq-coupled receptors transmit the signal for GLUT4 translocation via an insulin-independent pathway" J.Biol.Chem.271. 26561-26568 (1996)
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[Publications] Todaka,M.,Ebina,Y.et al.: "Roles of insulin,guanosine 5′-[γ-thio]triphosphate and phorbol 12-myristate 13-acetate in signaling pathways of GLUT4 translocation" Biochem.J.315. 875-882 (1996)
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[Publications] 蛯名洋介: "化学と生物「インスリンによる細胞内へのグルコース取り込み促進機構」" 日本農芸化学会編集 学会出版センター発行, 2 (1996)