1996 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞小胞体Ca^<2+>ポンプとCa^<2+>放出チャネルの機能協関とインスリン分泌制御
Project/Area Number |
08268242
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加計 正文 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (90214270)
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Keywords | 膵β細胞 / CAMP / グルコース / Ca^<2+> / 小胞体 / Ca^<2+>ポンプ |
Research Abstract |
1.GLP-1やPACAPなどのホルモンはcAMP増加を介して膵β細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)を増加させ、インスリン分泌を増強することが解かっている。そこで、cAMPの促進作用の選択性を調べた。cAMPは、グルコースおよびSU剤と選択的な共働作用を示し、β細胞[Ca^<2+>]_iを増加させる。 2.cAMPは、KClなどにより持続的に上昇した[Ca^<2+>]_iを減少させる作用を示す。これは、燐酸化を介した小胞体Ca^<2+>ポンプ活性化を介した細胞質Ca^<2+>の小胞体への取り込みによる。この過程に代謝活性化は関与しない。 3.グルコース濃度上昇は、KClなどにより持続的に上昇した[Ca^<2+>]_iを減少させる作用を示す。これは、代謝活性化を介した小胞体Ca^<2+>ポンプ活性化による。 4.この[Ca^<2+>]_i減少において、cAMPとグルコースは共働作用を示す。 5.cAMPは、グルコースとの共働作用により、β細胞[Ca^<2+>]_iオシレーションを誘発・増強する。 6.グルコースとcAMPは、[Ca^<2+>]_i増加効果と[Ca^<2+>]_i減少効果を示す。その機序は、グルコースは代謝活性化、cAMPは燐酸化を介する。[Ca^<2+>]_i増加と減少の効果のいずれにおいても、グルコースとcAMPは共働的に作用する。 7.グルコースとcAMPは、[Ca^<2+>]_i増加と[Ca^<2+>]_i減少の二つの機序を時間的・機能的に連関させることにより[Ca^<2+>]_iオシレーションの形成に関与するものと示唆される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yaekura K,Kakei M,Yada T: "cAMP-signalling pathway acts in selective synergism with glucose or tolbutamide to increase cytosolic Ca^<2+> in rat pancreatic β-cells." Diabetes. 45. 295-301 (1996)
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[Publications] Fujitani,S,Yada,T: "Somatostatin and insulin secretion due to commmon mechanisms by a new hypoglycemic agent,A-4166,in perfused rat pancreas." Metabolism. 45. 184-189 (1996)
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[Publications] Fujitani,S,Okazaki,K,Yada,T: "The ability of a new hypoglycemmic agent,A-4166,compared to sulphonylureas,to increase cytosolic Ca^<2+> in pancreatic β-cells under metabolic inhibition." British J.Pharmacol.in press. (1997)
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[Publications] Yada,T,Sakurada,M,Nakata,M: "Current status of PACAP as a regulator of insulin secretion in pancreatic islets." Ann.New York Acad.Sci.805. 329-340 (1996)
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[Publications] 矢田俊彦: "パルス状インスリン分泌-糖尿病、糖代謝における意義と発生機序" 内分泌・糖尿病科. 2・2. 169-177 (1996)