1996 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムポンプカチオンアクセスチャネルの構造・機能相関
Project/Area Number |
08268246
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川村 越 産業医科大学, 医学部, 教授 (00049066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 高司 産業医科大学, 医学部, 助手 (90122845)
竹田 和夫 産業医科大学, 医学部, 講師 (70131927)
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Keywords | ナトリウムポンプ / イオンチャネル / カリウムイオン / 部位特異的変異導入 / 電気生理学 / 卵母細胞 |
Research Abstract |
ナトリウムポンプは3Na^+/2K^+/1ATPの割合でカチオンを輸送する起電性のポンプであり,ポンプ活性を電気生理学的に解析できる。我々はこれまでアフリカツメガエル卵母細胞中に発現させたナトリウムポンプの電気生理学的解析から,細胞外K^+に対する“アクセスチャネル"の存在を仮定し“アクセスチャネル"に関与する候補アミノ酸を推定してきた。本研究においては,これら候補アミノ酸残基の中から,膜貫通領域内に存在するGlu334,Glu959,Glu960,および細胞外表面近傍に位置しポンプのウワバイン感受性にも関与するGln118とAsn129に焦点を当て,これらをAlaに置換した変異体を卵母細胞中に発現させ,生化学的,電気生理学的特性を解析した。 1.Glu334変異体の機能[ATP分解活性,Rb^+(K^+)輸送活性,Na^+輸送に伴うポンプ電流]はどの活性についても他の変異体に比べて著しく減少し,またGlu960変異体はATPase活性が減少したがどの変異体も活性が全く消失することはなかった。 2.Glu959,Glu960変異体にGln118→Ala,Asn129→Ala変異を同時に導入すると(OR体),導入による活性の変化は生じなかったが,ポンプ電流の細胞外K^+親和性が,ORGlu959の場合低下した。これはOR959変異体では,Z値(dielectric length)が増加しており,細胞外側のK^+が結合部位へ接近し難くなったことを示唆している。OR960ではこの様な変化は観察されず,両者のATPase活性の量的な違いとともに,それらの違いを生じた原因を検討中である。 3.これらの結果から,これら残基はイオン輸送に必須な結合部位を構築しているものではなく,我々が仮定したように細胞外K^+イオンのイオン閉塞部位への接近に関与するアクセスチャネルを構成していると結論した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akihiko Osajima: "Adrenomedullin-sensitive receptors are preferentially expressed in cultured rat mesangial cells" European Journal of Pharmacology. 315・3. 319-325 (1996)
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[Publications] Susumu Ueno: "Significance of the β-subunit in the Biogenesis of Na^+/K^+-ATPase" Bioscience Reports. (印刷中). (1997)
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[Publications] Shunsuke Noguchi: "Membrane Proteins : Structure,Function and Expression Control." Kyushu University Press (Fukuoka) and S.Karger Medical and Scientific Publishers (Basel)., 430 (1997)