1996 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞におけるGタンパク質βγサブユニット・MAPキナーゼ・遺伝子発現系
Project/Area Number |
08270214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東原 和成 東京大学, 医学部, 助手 (00280925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
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Keywords | 嗅覚レセプター / Gタンパク質 / 匂い / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
本研究では、神経細胞での遺伝子発現調節を理解するために嗅覚系をモデルシステムとして選び、化学信号を応答する感覚系の情報伝達機構を検索し、レセプターレベルの認識と脳神経系レベルでの認識との比較する。匂いの受容体はGタンパク共役型なので、嗅細胞内でMAPキナーゼを介した遺伝子発現経路が匂い刺激で活性化される事が予想される。つまり、嗅覚レセプターシグナル伝達におけるGタンパク質関連経路とMAPキナーゼ活性化による遺伝子発現制御のクロストークを解析する。本年度は、嗅覚応答情報伝達路を再構成するための第一歩として、今まで困難であった嗅覚レセプターの発現とリガンド・レセプターの対応付けに焦点を絞って進めた。ある匂いに対応するレセプターを単離するために、匂い刺激によるCa^<2+>上昇測定法と、応答した単一細胞からのRT-PCR法を確立した。同時に、既知の推定上の匂いレセプターをmammalian細胞で発現させる方法も確立した。これらの成果により、嗅覚レセプターと匂い物質との対応付けができつつある。さらに下流のシグナル伝達、特に本研究テーマの最終目的である、嗅覚レセプター・G蛋白質からの遺伝子発現制御系をモニターするために、現在、アデノウイルスベクターを構築中である。また、嗅覚レセプターとG蛋白質とのカップリングの再構成を試みており、G蛋白質αサブユニットあるいはβγサブユニットの関与を検索中である。これら匂い応答情報伝達路が再構成されれば、MAPキナーゼの関わりを阻害剤をもちいて検索する。
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