1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08270217
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 龍男 信州大学, 医学部, 教授 (80162965)
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Keywords | NF-kB / CREB / HSP / PSD / MSNs / synapse / シナプス後肥厚部 / 核移行 |
Research Abstract |
ラット中枢神経系のシナプス後肥厚部(postsynpatic density,PSD)に局在し,シナプスから核へシナプス情報を伝達するのに関わっている分子(MSNs,Messengers from synpase to the nucleus,Neurosci.Res,25:1-6,1996参照)について調べた.MSN候補分子として前述の総説でNF-_kB,Heat shock protein(HSP),種々の転写因子,シグナル伝達系の数種のタンパク質キナーゼなどを挙げたが,それらのいくつかについて調べた. (1)PSDにNF-_kBとそのアンカー分子であるl-_kBの両者が存在する事を明らかにした.特にl-_kB様分子については抗体を用いて大脳からcDNAのクローニングを行っている.現在までに抗l-_kB抗体に反応する2種のcDNAを得ているので,引き続きクローニングを継続し,coding regionの全塩基配列を決定する計画である. (2)CREBの大部分は核内に局在するが,ごく微量ではあるが,神経細胞の樹状突起先端部までも存在することを明らかにした.この部のCREBは細胞骨格成分に結合しており,カルモジュリンキナーゼによるリン酸化を受けると,細胞骨格から遊離されることを明らかにした. (3)HSP70が神経細胞の樹状突起,PSDにも存在することを明らかにした.この部のHSPが神経活動に応じてどのように変化するのかを解析する計画である. (4)MAP kinase : MAPキナーゼとともにその基質であるRSKもPSDに局在するらしいことを明らかにした.これらがともに核に移行するのかどうかについて明らかにする計画である.
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[Publications] Suzuki,T.: "Messenger molecules that transmit synaptic informations to the nucleus." Neurosci.Res.25. 1-6 (1996)
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[Publications] 鈴木 龍雄: "シナプス可塑性の分子基盤-PSDタンパク質-" 薬物.精神.行動. 16. 53-58 (1996)
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[Publications] 鈴木 龍雄: "記憶・学習の分子機構:長期増強をモデルとして" 信州医学会誌. 44. 395-404 (1996)
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[Publications] 鈴木 龍雄: "シナプスのMAPキナーゼ系" 生体の科学. 48. 印刷中 (1997)
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[Publications] 鈴木 龍雄: "Bio Science用語ライブラリー:脳・神経" 羊土社(印刷中), (1997)