1996 Fiscal Year Annual Research Report
メタボトロピックグルタミン酸受容体欠損マウスを用いた嗅覚情報処理機構の研究
Project/Area Number |
08270237
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
椛 秀人 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50136371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 安亮 鹿児島大学, 農学部, 講師 (50211181)
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Keywords | ジーンターゲティング / メタボトロピック型グルタミン酸受容体 / 匂い情報処理 / 副嗅球 / プライマー効果 / マウス |
Research Abstract |
イオノトロピック型グルタミン酸受容体の生理的・病理的意義については数多くの知見が集積されてきた。一方,メタボトロピック型グルタミン酸受容体(mGluR)の機能については,現在,解明すべく精力的な研究が展開されているところである。mGluRのサブタイプの一つであるmGluR2が副嗅球顆粒細胞の樹状突起に豊富に発現しており,鋤鼻嗅覚系の情報処理に重要は役割を果たしうるとの仮説が提唱されている。今回,ジーンターゲティング法によるmGluR2遺伝子の破壊が鋤鼻嗅覚系の匂い情報処理にいかなる影響を及ぼすかについて検討した。 鋤鼻嗅覚神経系の働きによって雌マウスに誘起される雄フェロモンのプライマー効果,すなわちVandenbergh効果,Whitten効果およびBruce効果についてmGluR2欠損雌マウス(ホモマウス)と野生型雌マウスを比較検討した。 野生型マウスにおいて、Vandenbergh効果,Whitten効果,Bruce効果のいずれも有意に誘起されなかった。そのため,mGluR2欠損が雄の匂いによるプライマー効果にいかなる影響を及ぼすかを評価することができなかった。この点に関して,匂いによる生殖内分泌効果にマウスの系統差があることが知られている。今回解析したマウスは,129Sv,C57BL/6J,およびBDF1の遺伝的背景を持つ。129SvとC57BL/6Jの両系統とも匂いによる生殖内分泌効果が起こりにくい系統として報じられている。 今後の対策として,今回のように,内分泌学的に解析するためには,匂いの効果が明白に認められる系統,たとえばBalb/cにmGluR2遺伝子の変異を乗せ換えることが必要である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Okere,C.O.: "Formation of an oltactory recognition memory in mice : reassessment of the role of nitric oxide." Neuroscience. 71・2. 349-354 (1996)
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[Publications] Okere,C.O.: "Intrabulbar in fusions of ((8169816C)_<16>SY.+-。(8168816A)_<16>) S-nitroso-N-a cetyl penicillamine and L-arginine induce functional plasticity in the accessory oltactory bulb of female mice." Neuroscien ce Letters. 217. 197-199 (1996)
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[Publications] Kaba,H.: "A core-dimensional carrent source-density analysis is applicale to the mouse accessory oltactory bulb" Journal of Veterinary Medical Science. 58・5. 485-488 (1996)
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[Publications] 椛 秀人: "グルタミン酸受容体と嗅覚情報処理" 日本味と匂学会誌. 3・2. 165-169 (1996)
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[Publications] 椛 秀人: "鋤鼻嗅覚神経系における匂いの記憶" 蛋白質核酸酵素. 41・14. 2077-2083 (1996)
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[Publications] 椛 秀人: "嗅覚の記憶とグルタミン酸受容体" 神経研究の進歩. 40・6. 911-917 (1996)
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[Publications] Kaba,H.: "Neurol Control of Reproduction : Phygiology and Behavior" Japan Scientific Societies Press, (1997)
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[Publications] Kaba,H.: "Biology of Pregnancy" Keiseisha, (1997)