1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヘモグロビンのサブユニットの4量体形成以前から用意されている構造変化の機構
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08272215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 英樹 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20029474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 源太郎 大阪大学, 基礎工学部, 教務職員 (50166146)
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Keywords | ヘモグロビン / X線結晶解析 / 立体構造 / 塩基配列 / 脊椎動物 / 系統樹 / 分岐点 / 無脊椎動物 |
Research Abstract |
1)前年度に引き続き、脊椎動物の系統樹の分岐点のまわりで、Hb(ヘモグロビン)の立体構造と機能の変化を見るために使うHbとして、硬骨魚類のクロマグロ、軟骨魚類のアカエイとシロザメ、脊椎動物と無脊椎動物の中間的存在である円口類の日本産のカワヤツメウナギ、Hbを持つ無脊椎動物で脊椎動物に最も近い棘皮動物のシロナマコからHbを取り、常時使用できる状態を維持した。一部他の研究室へも提供した。 2)アカエイとクロマグロのHbのdeoxy(配位子非結合)型の結晶のX線結晶解析を1.8Å分解能で行い、得られた立体構造を「タンパク質立体構造の構築原理」ワークショップのポスターで発表した。クロマグロHbのCO結合型の結晶も2.0Å分解能で立体構造が決定できて、deoxy型とCO結合型の間の構造変化を、ヒトHbの場合と詳細な比較を行なっている。 3)アカエイHbのCO結合型の結晶、ヤツメウナギHbのdeoxy型とCO結合型双方の結晶については、すでに回折データを持っていて、立体構造を決定すべく解析中である。シロザメもdeoxy型とCO結合型双方の結晶について回折データを持っているが、アカエイと同じ軟骨魚類であり、アミノ酸の1次構造を決定している最中なので後回しになっている。 4)シロナマコのHbの結晶についてはまだ解析に耐える回折データが得られていない。 5)日本産カワヤツメウナギのHbのcDNAを2種類取り、塩基配列を決定した。それぞれ、血液中の主成分と少量成分に対応すると考えられる。主成分と思われるHbは、ヨーロッパ産カワヤツメウナギのHbの主成分と、アミノ酸の1次構造が完全に一致した。このcDNAをもとに、ヤツメウナギHbの発現系を大腸菌を使って作製中である。 6)シロザメHbのα鎖とβ鎖のcDNAを取り(シロザメHbの成分は単一)、塩基配列を決定中である。 7)シロナマコのcDNAは2種類見つかり、これの塩基配列を決定中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 雲財 悟: "Oxygen eqmilibrium properties of chromium(III)-cron(II) hybrid hemoglobins" Journal of Biological Chemistry. 271. 12451-12456 (1996)
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[Publications] Sam-Yong Park: "High resclretion crystal structures of magnesium(MgII)-iron(FeII) hybrid hemoglobin with liganded beta srbunits" Journal of Molecular Biology. 255. 726-734 (1996)