1996 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリックヌクレオチドによる花粉発芽・受粉制御機構
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08273201
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
江尻 慎一郎 岩手大学, 農学部, 教授 (90005629)
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Keywords | 自家不和合性 / リンゴ / 品種鑑別 |
Research Abstract |
目的:自家不和合性に関与するS糖タンパク質をコードするS遺伝子群(S-RNase)がタバコやペチュニアなどのナス科植物から多く得られている。最近、リンゴでもS-RNasoと相同性のある遺伝子が存在することが示されたが、自家不和合性の機構は不明であり、自家不和合性品種等の識別に利用できるプローブもみつかっていなかった。本研究では自家和合性品種Malus domestica cv.Megumiとその花粉親である自家不和合性品種Jonathanを用いて花柱及び柱頭からS-RNaso遺伝子の単離を試みた。その結果得られた一部のクローンを用いて、リンゴ品種の分類、識別への応用を検討した。 研究成果:自家不和合性に関与するといわれているS遺伝子を参考に作成したプライマーを用いたPCRの結果、2種類の転写産物(P1及びP2)が検出された。P2に対応するmRNAはJonathanの柱頭の成熟過程で減少し、Megumiの方が発現量が多かった。P1に対応するmRNAは、柱頭以外の葯、花弁、葉、がくにおいて発現がみられ、特に花弁で多く葉での発現が少なかった。しかし、自家不和合性との関連性は明らかにできなかった。発現が認められなかったA-2及びA-4クローンをプローブに用いたDNAフィンガープリントは、野生種及び栽培品種においてバンドパターンの相違がみられ、品種識別に有効なクローンであることが示された。また、バンドパターンの違いから自家不和合性と和合性の識別においても有効であることが示唆された。Megumiの後代を用いた結果から、パターンには固体差はなく世代を超えて保存されることが推察された。 MegumiおよびJonathanの柱頭抽出液のRNase活性を、各種のHPLCカラムをもちい比較したが、両者のパターンに相違はみられなかった。この他、S-RNaseはタンパク合成系を阻害するので、その反応機構を解明するため、植物のタンパク質合成系の解析を行い、基本骨格を確立した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Nakamura et al.: "Genomic sturcture of the rice aldolase isozyme C-1 gene and its regulation through a Ca^<2+>-meduated protein kinase-phosphatase pathway" Plant Mol.Biol.30. 381-385 (1996)
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[Publications] H.Nakamura et al.: "Cell type-and positionally sepcific regulation of the aldolase P gene expression in rice seedlings" Biosci.Biotech.Biochem.61・2. 256-262 (1997)