1996 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の減数分裂誘導と決定機構の分子生物学的研究
Project/Area Number |
08273213
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堀田 康雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30190218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 和之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (30202279)
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Keywords | 減数分裂 / 遺伝子組み換え / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
減数第一分裂特異的(対合期)に発現する遺伝子群のうち7種の遺伝子産物に対する抗体の作製を試み、詳しい解析を行った。これらのうち、低分子熱ショック蛋白質と相同性を示すLIM10遺伝子産物について、LIM10のみを特異的に認識する抗LIM10モノクローナル抗体を用いて調べたところ、LIM10蛋白質は花粉母細胞の細胞質にのみ存在することが判明した。花粉母細胞特異的に高レベルで発現する遺伝子は未報告であり、LIM10遺伝子はその発現制御機構の面からも注目された。LIM13遺伝子産物は既知の蛋白質のアミノ酸配列と相同性を示さない新規な蛋白質であると考えられる。抗LIM13抗体を用いたウエスタン法と蛍光抗体法による解析結果からは、LIM13蛋白質は減数分裂期に発現する全く新しいタイプの核あるいは染色体構成蛋白質であると考えられた。さらに、GFPとLIM13の融合遺伝子を作成し核局在シグナルの同定を行い、LIM13由来の核局在シグナルがタマネギ表皮細胞でも機能することが確認された。同様に、機能未詳なLIM4、LIM14、LIM16、LIM17についても組換え蛋白質を用いて抗体を作成し、それらの発現時期などをウエスタン法で調べた。LIM4蛋白質の蓄積は減数第一分裂厚糸期から始まり、未成熟花粉の形成に至る過程で増加する傾向があることから、LIM4蛋白質は減数分裂よりも花粉形成に関与するものと考えられた。LIM14蛋白質は出現時期の特異性と蛍光抗体法により細胞内所在から花粉成熟期に生成する蛋白顆粒を形成することが示唆された。LIM16およびLIM17蛋白質は減数第一分裂中期から四分子期以降にかけて出現し、mRNAの発現パターンと大きな違いが観察されたことから転写後発現制御が行われている可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)