1996 Fiscal Year Annual Research Report
高等動物の染色体バンド境界領域の核内配置とその動態
Project/Area Number |
08274221
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天前 豊明 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (70270460)
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Keywords | 高等動物染色体 / 間期核内配置 / MHC(HLA)領域 / 3重鎖 / セントロメア / テロメア / トリヌクレオチドリピート配列 / non-B型構造 |
Research Abstract |
高等動物染色体の高度に組織化された核内配置を決定する情報は,基本的には塩基配列に担われると考えられる.セントロメアおよびテロメアが,重要な役割をはたすことは明らかであるが,染色体バンド境界も重要な部位と想定している.ヒトMHC領域内に,複製タイミングのスイッチ点としてバンド境界を正確に特定でき,SARの存在および複数の特徴的な配列類を見いだした.間期核内配置を決める分子機構としては,DNA配列に特異的に親和性を示す核内構造の存在が想定される.生理条件下でこのような活性を示す分子レベルでの構造体としては,単鎖及び3重鎖のような非ワトソン・クリック型構造を形成するDNA部位や,RNAや,配列特異性のあるDNA結合タンパク質,及びこれらの複合体が考えられる.バンド境界領域にも,これらの活性と関係する配列類が存在していた.生理条件下で,配列特異的にDNAに高親和性を示す核内構造体を探索する目的で,バンド境界領域に見出されたtriやtetraヌクレオチドの反復配列およびPABL,ならびにテロメアとαサテライト反復配列を蛍光プローブとして,ヒトの培養生細胞へのlipofectionによる導入実験と,未変性間期核に対するin situ結合実験を行った.いずれの方法でも,配列特異的に特徴的なfoci状の結合像が得られた.PABLプローブはテロメア近傍に強い結合を示したが,RNase処理核ではこの結合シグナルは消失する。PABL由来のRNAがテロメア近傍に局在することが示唆される。トリヌクレオチドリピート配列である(CTG/CAG)nや(GAA/TTC)nは,non-B型形成能を持つことが知られているが,配列特異的にfoci状の結合像を与える。単鎖特異的ヌクレアーゼに感受性であるので,non-B型DNAから構成される構造が結合に重要と考えている。核内には,non-B型構造がfoci状に存在しており,RNAやDNAへの配列特異的なたんぱく質とも複合体をなし,配列特異的に高親和性を示す部位を形成し,染色体上で離れた位置にあるDNA間での特異的な結合を可能にし,DNAの高度な組織化を実現しているとのモデルを考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 菅谷公彦: "Gene organization of human NOTCH4 and (CTG)n polymorphism in this human counterpart gene of mouse proto-oncogene Int3." Gene. (in press). (1996)
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[Publications] 笠原正典: "Chromosomal localization of the proteasome Z subunit gene reveals an ancient chromosomal duplication involving the major histocompatibiliy complex." Proc.Natl.Acad.Sic. (USA). 93. 9096-9101 (1996)
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[Publications] 安藤麻子: "cDNA cloning of the human homologues of the mouse Ke4 and Ke6 genes at the centromeric end of the human MHC region." Genomics. 35. 600-602 (1996)
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[Publications] 酒井尚雄: "Tenascin-X expression in tumor cells and fibroblasts : glucocorticoids as negative regulators in fibroblasts." J.Cell Sci.109. 2069-2077 (1996)
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[Publications] 深川竜郎: "Human pseudoautosomal boundary-like sequences (PABLs) : Core and consensus sequence,expression,and involvement in formation of the present day pseudoautosomal boundary of short arm of human sex chromosomes." Hum.Mol.Genet.5. 23-32 (1996)