1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08280216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 彰 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00252578)
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Keywords | DNA修復 / 相同組換え / RAD51蛋白 / RAD52蛋白 |
Research Abstract |
DNA鎖の交換反応である相同組換えはDNA二重鎖の切断の修復や減数分裂期の相同染色体の分配に必須の役割を果たす。特にDNA間の相同性を認識し、交換を行う中期過程は一連の組換え反応の中で根幹をなす反応である。出芽酵母においてはこの過程に少なくともRad51,-52,-54,-55,-57,-59,RPA蛋白質が関与してることが知られている。現在までに、Rad51が試験管内で大腸菌RecAの様に組換え反応を試験管内で行い、その反応が単鎖DNA結合蛋白質RPAによって促進されることが示されている。一方、これらの遺伝子産物は複雑な相互作用を示し、ほとんどすべての蛋白質が蛋白質間相互作用で結ばれる。真核生物の相同組換え反応の分子機作を理解するにはRad51に加え、それと相互作用する他の因子の生化学的性質を理解し、試験管内の組換え系を構築することが重要である。 Rad51と直接相互作用することの知られているRad52蛋白質を精製したところ、この蛋白質は単鎖DNA結合蛋白質でリング状のユニークな構造体を形成することが電子顕微鏡を用いた解析から明らかにできた。さらにRad52蛋白質は相補的なDNA鎖同士を対合させるannealing活性を有する。また、このannealing活性は単鎖結合蛋白質RPAによって促進されるという2者の間で機能的な相互作用が観察できた。さらに試験管内で精製したRad52蛋白質をRad51蛋白質のDNA鎖交換反応、ATP水解活性を促進した。特に、DNA鎖交換反応においてはRPAと独立で相加的に促進する。また、ある条件下ではRPAはRad51のATP水解活性を阻害するが、その阻害はRad52が存在するで解除されることがわかった。これらの結果はRad52がRad51のDNAに対する結合を強めていることを示唆している。 これらの結果より組換えにおける蛋白質複合体の段階的な複合体形成が以下のように考えられる。組換えの開始反応であるDNA二重鎖切断に伴うプロセッシングによって生じた単鎖DNAに単鎖DNA結合蛋白質RPAが結合し、蛋白質相互作用によりRad52が呼び込まれる。さらにRad51-52間の相互作用でRad51がこのRad52-RPA-ssDNA複合体に取り込まれ、形成された4者複合体がDNA間の相同性の検索、並びに交換を行うと考えられるこのように個々の構成要素の生化学的解析を行い、その構成要素を用い試験管内の組換え反応系を構築することで組換えの分子機構が解明できることが期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ikeya,T.,Shinohara,A.,et al.: "Localization of mouse Rad51 and Lim 15 proteins on meiotic chromosomes at late stages of prophase l." Genes to Cells. 1. 379-389 (1996)
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[Publications] Tashiro,S.,Kotomura,N.,Shinohara,A.et.al.: "S phase specific formation of human Rad51 protein nuclear foci in lymphocytes." Oncogene. 12. 2165-2179 (1996)